ちょっと思い出しただけ
けがでダンサーからステージ照明のスタッフになった照生(池松壮亮)。タクシー運転手として働く葉(伊藤沙莉)。別れてしまったふたりが過ごした6年間を、照生の誕生日の1日だけにスポットを当てて描く。クリープハイプの尾崎世界観がジム・ジャームッシュ監督の「ナイト・オン・ザ・プラネット」に着想を得て作った楽曲を基に、松居大悟が脚本を執筆して監督。終わりから始まりへとさかのぼる物語を生み出した。 真夜中の水族館でのデートも、朝の体操やべっ甲風のバレッタなどなんてことのない行動や小物も、すべては等しく特別な思い出だ。けれども監督は過剰な演出を避け、記憶をことさら美化するシーンもない。「ちょっと思い出しただ...