日本版も楽しみ 予測不能の韓国製〝スパイラルスリラー〟「最後まで行く」:謎とスリルのアンソロジー
クライムスリラーはしばしば「人間は過ちを犯す生き物である」という真理を証明するジャンルだ。劇中で思いがけない過ちをしでかしてしまった主人公は、その瞬間、自身の人生を左右する重大な2択を迫られる。すぐに過ちを認めて罪を償うか、または過ちをもみ消すか、だ。 キーワード「負のスパイラル」 もしも主人公が潔く前者を選んだらその時点で映画は終わってしまうのだが、後者を選んだ者はとんでもない悲惨な運命をたどるはめになる。保身のために過ちを消そうとした行為が新たな過ちを招き、主人公を苦しめる災いは雪だるま式にふくれ上がっていく。筆者はそのような悪夢のごとき悪循環を描く映画を〝スパイラルスリラー...
高橋諭治
2023.3.22