ゆずき あさこ
1981年8月01日 生まれ
小説家、原作:「私にふさわしいホテル」(新潮文庫刊)「早乙女カナコの場合は」原作:「早稲女、女、男」(祥伝社文庫刊)
文壇の内幕もの、日本映画にもけっこうある。「文学賞殺人事件 大いなる助走」(1989年)とか「響 HIBIKI」(2018年)、あるいは「騙し絵の牙」(21年)。ジャンルはさまざまだが、文学賞をめぐる駆け引きとか作家や出版社間の力関係とか、インテリの芸術家たちがエゴと欲をむき出しに泥仕合を繰り広げる姿は下世話で人間臭く、何よりバカバカしい。本作は柚木麻子の小説を、川尻恵太脚本、堤幸彦監督で映画化したコメディーだ。 舞台は昭和、作家の中島加代子(のん)は、新人賞受賞作を文壇の大御所、東十条宗典(滝藤賢一)に酷評されて以来、鳴かず飛ばず。人気作家を気取って文壇御用達の山の上ホテルに泊まると、東十...
2024.12.27
男勝りで自意識過剰ゆえに素直に甘えることができず、本当は誰よりも純粋で不器用な早乙女カナコの演劇サークルの先輩の長津田との10年に渡る恋愛模様を中心に、彼女たちと周囲の人々が右往左往しながらも各々が自分を見つめ直していく姿を描いた恋愛奮闘記。柚木麻子による小説「早稲女、女、男」(祥伝社文庫刊)を原作に、「ストロベリーショートケイクス」(2006年)や「スイートリトルライズ」(10年)、「さくら」(20年)などを手がけた矢崎仁司が監督を務める。 主演を務めるのは、数々の映画やドラマへの出演のみならず、歌手としての活動や、様々なジャンルで活躍している橋本愛。カナコと付かず離れずの関係を続けている...
原作は、「終点のあの子」でデビューし、2015年「ナイルパーチの女子会」で山本周五郎賞受賞、高校生直木賞を受賞。「ランチのアッコちゃん」「BUTTER」「あいにくあんたのためじゃない」など話題作を次々と発表してきた柚木麻子の同名小説。ドラマ「ケイゾク」や「池袋ウエストゲートパーク」、「TRICK」シリーズ、「SPEC」シリーズ、映画「20世紀少年」三部作など、数々の話題作の演出を手がけてきた堤幸彦がメガホンをとった。そして、「さかなのこ」「天間荘の三姉妹」(いずれも22年)の主演など俳優のみならず、アーティストとして様々な分野で活躍するのんが、主人公の〝文学史上最も不遇な新人作家〟加代子を演じ...