第28回プチョン国際ファンタスティック映画祭で「夏目アラタの結婚」が上映され、質疑応答に応じた柳楽優弥(左)と堤幸彦監督。「最後の質問はジャンケンで勝った人に」と呼びかけた=2024年7月6日、勝田友巳撮影

第28回プチョン国際ファンタスティック映画祭で「夏目アラタの結婚」が上映され、質疑応答に応じた柳楽優弥(左)と堤幸彦監督。「最後の質問はジャンケンで勝った人に」と呼びかけた=2024年7月6日、勝田友巳撮影

2024.7.06

柳楽優弥「成長の節目で韓国。うれしい」 「夏目アラタの結婚」世界初上映 プチョン国際ファンタスティック映画祭

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勝田友巳

勝田友巳

韓国で開催中のプチョン国際ファンタスティック映画祭で5日、日本映画「夏目アラタの結婚」が世界初披露上映され、堤幸彦監督と主演の柳楽優弥が会場との質疑応答に参加した。「柳楽さん大好き」という韓国人ファンもいて、熱気に包まれていた。

「夏目アラタの結婚」は、乃木坂太郎の同名漫画の映画化。児童相談所職員の夏目アラタ(柳楽)が、猟奇的連続殺人犯として死刑判決を受けた品川真珠(黒島結菜)から未発見の死体の首の隠し場所を聞き出すため、衝動的に結婚を申し込む。はじめは互いに相手を利用する関係だったが、次第にその心情が変化していく――というミステリー。

温かい反応うれしい 堤幸彦監督

韓国は初めてという堤監督。会場の反応に「温かさが伝わってきていい気分です」と満足そう。会場からの「拘置所でのアラタと真珠の面会場面は狭い場所で、撮影は大変だったのでは」との質問に「そこを逆に利用しようと、2人の顔を度アップで撮りたかった。そのために、ミリ単位で目線や顎(あご)、首の角度などを指示した。それが映画に命を与えると思っていた」と明かした。

会場には「柳楽さん好きです」と呼びかける女性や、空港で〝入り待ち〟したファンも。児童虐待という「誰も知らない」と共通する題材だったことへの質問に「撮影中は意識しなかった」と言いつつ、「14歳で『誰も知らない』が公開されて、その2年後に『包帯クラブ』で主演した堤監督と、この映画で再会した。夢に向かってコツコツと進んでいる」と振り返った。韓国訪問は、「誰も知らない」がプサン国際映画祭で上映されて以来4回目という。前日に到着し「タコの料理をたくさん食べた」とか。「自分の成長の節目に韓国に来られてうれしい」と話していた。

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ライター
勝田友巳

勝田友巳

かつた・ともみ ひとシネマ編集長、毎日新聞学芸部専門記者。1965年生まれ。90年毎日新聞入社。学芸部で映画を担当し、毎日新聞で「シネマの週末」「映画のミカタ」、週刊エコノミストで「アートな時間」などを執筆。

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  • 第28回プチョン国際ファンタスティック映画祭で「夏目アラタの結婚」が上映され、質疑応答に応じた柳楽優弥(左)と堤幸彦監督。「最後の質問はジャンケンで勝った人に」と呼びかけた=2024年7月6日、勝田友巳撮影
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