第29回プサン国際映画祭開幕式でレッドカーペットを歩く「さよならのつづき」の有村架純と坂口健太郎

第29回プサン国際映画祭開幕式でレッドカーペットを歩く「さよならのつづき」の有村架純と坂口健太郎2024年10月2日、GettyImages

2024.10.02

「第29回プサン国際映画祭」開幕 坂口健太郎、有村架純、松重豊、イ・ジョンジェ……華やかに

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勝田友巳

勝田友巳

第29回プサン国際映画祭が2日、韓国・プサンで開幕した。主会場となる「映画の殿堂」の、4000人を収容する屋根付きの野外劇場に客席を通るレッドカーペットをしつらえ、「イカゲーム」のイ・ジョンジェや韓国でも人気のドラマ「孤独のグルメ」の主演で劇場版を監督した松重豊、Netflixドラマ「さよならのつづき」で主演の坂口健太郎と有村架純ら、多くのゲストが参加した。


第29回プサン国際映画祭開幕式でアジア映画人賞を贈られてあいさつする、黒沢清監督©2024Cloud」製作委員会

黒沢清監督にアジア映画人賞

プサンは昨年まで、政治問題に巻き込まれたり事務局内で不祥事が起きたりと、大きく揺れてきた。今年は体制を一新、「Vision of Asia,Ocean of Cinema(アジアの展望、映画の海)」をスローガンに掲げて再出発となった。11日までの期間中、アジアを中心に63カ国から224本を上映する。開幕作品は韓国のNetflix映画「Uprising」で、配信作品が開幕を飾るのは初めて。主演のカン・ドンウォンら俳優陣が登場。喝采で迎えられた。

もっとも活躍したアジアの映画人に贈られる「アジア映画人賞」には黒沢清監督が選ばれ、「蛇の道」「Cloud クラウド」の新作2本を上映し、マスタークラスも開催。開幕式で表彰された黒沢監督は「プサンに初めてきたのは20年ほど前。賞をもらえて感激している。ここの観客は世界でもっともハイレベル。最新作を見てもらうためにまた来た。楽しんでください」と語りかけた。

日本映画も多数上映、ゲストも続々

今回から女性映画人を検証する「カメリア賞」が新設され、韓国の美術監督、リュ・ソンヒが選ばれた。パク・チャヌク監督の「オールド・ボーイ」「別れる決心」、ポン・ジュノ監督の「殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」など多くの作品に携わり、韓国映画界での女性の活躍の場を広げたという。リュは「映画界に入ったころは、ジャンル映画は男性が支配していた。その中で抵抗し、女性にもできると思って続けてきた。才能ある女性たちを応援したい」とあいさつし、喝采を浴びていた。

日本から、「金子差入店」(古川豪監督)、「The Height of the Coconut Trees」(ドゥ・ジエ監督)が世界初上映されるほか、「アイミタガイ」(草野翔吾監督)、「ぼくのお日さま」(奥山大史監督)、「BlackBox Diaries」(伊藤詩織監督)などが上映される。また昨年12月に亡くなった、俳優のイ・ソンギュンの追悼特集やポルトガルのミゲル・ゴメス監督の特集上映も組まれている。

ライター
勝田友巳

勝田友巳

かつた・ともみ ひとシネマ編集長、毎日新聞学芸部専門記者。1965年生まれ。90年毎日新聞入社。学芸部で映画を担当し、毎日新聞で「シネマの週末」「映画のミカタ」、週刊エコノミストで「アートな時間」などを執筆。

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