誰になんと言われようと、好きなものは好き。作品、俳優、監督、スタッフ……。ファン、オタクを自認する執筆陣が、映画にまつわる「わたしの推し」と「ワタシのこと」を、熱量高くつづります。
2024.7.18
「いい男祭り」主宰・沖直実が見た「キングダム 大将軍の帰還」若手から大人男子まで必ず推しを見つけられる
山崎賢人さん演じる主人公・信の魅力
映画「キングダム 大将軍の帰還」を見た。陳腐で恥ずかしいんだけど、とにかくすごい!!すごいしか言えないわ~。
電子版を合わせ累計発行部数1億部を突破した大大人気作品を実写化。こういう人気作品を実写化するのは制作者側にとっては本当にチャレンジなのよ。必ず賛否両論出て「イメージが違う~」等と炎上したりする。しかし、この作品は大好評につき第4弾を迎えるのだ。その大きな勝因はやはり山崎賢人さん演じる主人公・信の魅力だろう。
この映画は、春秋戦国時代の中国を舞台に山崎さん演じる少年・信が王国の統一という大きな野望に向かって成長していく過程でぶつかる困難、出会いや別れが戦闘アクションシーンと共に描かれていて山崎さんは何事もあきらめない、勇敢な信を体一つで演じきった。この作品でどれだけの血と汗と涙を流したのだろうと想像すると胸が震える。この作品は彼の代表作になり役者としての格が数段あがったと思う。
原作ファンを裏切らない俳優
「こんなにりっぱな俳優さんになって……」と何故か母親目線でうるうるしてしまうのだが山崎賢人さんは2014年映画「L・DK」でヒロイン剛力彩芽の相手役に抜てきされ演じた「壁ドン」が一世を風靡(ふうび)し、その年の流行語大賞にもノミネートされた。その後、NHK「まれ」で朝ドラ初出演、スターになっていくのだがなんとなく努力を表に出さずひょうひょうと演じているイメージだった。最初はキラキラしたクラスの王子様的な役が多かったのだが映画「劇場」を見て「あれ、山崎賢人は本気なんだ」と何故か思ったのを覚えている (上から目線でごめんなさい) 。その集大成がこの「キングダム」。他「ヲタクに恋は難しい」「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない第一章」「ゴールデンカムイ」等今は原作ありきの作品の実写化には欠かせない俳優、原作ファンを裏切らない俳優になった。
必ず推しを見つけられる
主演以外のキャラクターたちも本当に魅力的で濃い。それを演じる役者たちの豪華なこと!大河ドラマの主役級すてき男子がてんこ盛り! 小栗旬さん、加藤雅也さん、要潤さん、佐藤浩市さん、玉木宏さん、山田裕貴さん、山本耕史さん、吉沢亮さん(50音順)他。若手から大人男子まで必ず推しを見つけられるのもこの映画の魅力である。出てくる女性たちも本当に美しい。特に楊端和を演じる長澤まさみさんの美しさはまぶしすぎた。
また今回の敵役の龐煖(ほうけん)を演じる吉川晃司さん。大きな武器をブンブン振り回す長いハードなアクションシーンを見事に演じた。吉川さん、もうすぐ還暦なのにマジですごすぎるよ~汗。
大沢さんが数十年後に王騎になるなんて
そして今回の主役の大沢たかおさん演じる王騎。原作でも一番人気のキャラクターである。思えば私の初大沢たかおさんは95年のドラマ「星の金貨」、まだきゃしゃなナイーブな青年を演じていた。メンズノンノでモデルをやっていた大沢さんが数十年後に王騎になるなんて思わなかった! 役に対して貪欲に取り組む役者さんで有名だが今回も肉を食べ続け20キロ体重をふやし、ファンから「王騎より王騎だ!」と言わしめた。スクリーンを見て彼の王騎にかける命がけのすごみがひしひしと伝わってきた 。クライマックスの龐煖と王騎の一騎討ちは迫力満点!
その人になりきる岡山天音
そして私のおすすめ、必ずブレークすると思うのは、すでにブレークしている感があるが岡山天音くん。ドラマ「アンメット」でも「大人の色気がすごい」とバズっていたがとにかく演技がうまい。その人になりきる。NHK「%(パーセント)」でも主人公の恋人役でその葛藤を本当にうまく演じていた。きらきらしてない太陽より月の感じがいいのだよなぁ・・・・・・なんか目が離せません・・・・・・。
ファンファーストな内容
またこの映画は原作者の原泰久さんが脚本に入り徹底的に原作ファンの喜ぶ物を作るファンファーストな内容である事。ファンを失望させないダイナミックなアクションや仲間との絆、友情、信念等の人間愛も丁寧に描いている。戦闘シーンでは、エキストラのべ1万人を使った臨場感、そのリアルさに圧倒される。戦闘好きな人はこのシーンだけでお酒がかなり進むに違いない。
ネタパレになってしまうのであまり言えないがこの映画のラストシーンで隣の女性が号泣していました。試写会ではとても珍しい光景でした。