やまざき けんと
1994年9月06日 生まれ
筆者が日本映画史に「スター・ウォーズ」のようなブロックバスターシリーズとして一線を画す「キングダム」に熱狂する理由は、ただ親友の佐藤信介が共同脚本家と監督を務めているからだけではない。 映画「キングダム」シリーズに、吉川英治「三国志」の影を見る筆者 簡単に言えば古代中国の春秋戦国時代末期における戦国七雄の争乱を背景にしているこの作品に生まれて初めて読んだ大河小説「三国志」の作家、吉川英治の足跡を見るからだ。中国明代の羅貫中(らㆍかんちゅう)ではなく、神奈川県出身で後に文化功労者、文化勲章受章者となったあの吉川英治氏である。筆者の父親の本棚に差し込まれていた全8冊のこの小説は、...
洪相鉉
2024.7.25
邦画娯楽大作の金字塔が生まれた。興行面でも、内容にふさわしい圧倒的な強さを見せたのがうれしい。「キングダム 大将軍の帰還」だ。4日間では興行収入22億円。邦画実写作品の歴代最高スタートである。紀元前の中国を舞台に、秦の国が他国とわたり合う様を描く。 本作の素晴らしさは、何と言っても話の展開のダイナミズムにある。前作で一段と存在感を増した大将軍・王騎(大沢たかお)を中心に、封印されていたかつての王の逸話、王騎の宿敵の登場、王騎を脅かす新たな強敵の出現。何層にも膨れ上がる話の畳み込みが圧巻であった。 このシリーズの本筋は、大将軍を夢見る主人公・信(山崎賢人)と、中華統一を目指す若き王(吉沢亮)...
2024.7.19
山崎賢人さん演じる主人公・信の魅力 映画「キングダム 大将軍の帰還」を見た。陳腐で恥ずかしいんだけど、とにかくすごい!!すごいしか言えないわ~。 電子版を合わせ累計発行部数1億部を突破した大大人気作品を実写化。こういう人気作品を実写化するのは制作者側にとっては本当にチャレンジなのよ。必ず賛否両論出て「イメージが違う~」等と炎上したりする。しかし、この作品は大好評につき第4弾を迎えるのだ。その大きな勝因はやはり山崎賢人さん演じる主人公・信の魅力だろう。 この映画は、春秋戦国時代の中国を舞台に山崎さん演じる少年・信が王国の統一という大きな野望に向かって成長していく過程でぶつかる困難、出会いや...
沖直実
2024.7.18
現在公開中の「ゴールデンカムイ」、「ミッシング」、6月14日公開の「ディア・ファミリー」(毎日新聞社など製作委員会)と話題作のプロデューサーを務めた大瀧亮。内容、成り立ち、スタイルなど大きく異なるが、3作とも注目度は圧倒的に高い。映画のとっかかり、企画段階から2次利用まで一つの作品に長期にわたって一緒に歩み、生みの親であり、育ての親としてかかわってきた。「大切な子供が成長する過程が楽しみ」と話す大瀧の作品へのアプローチ、所属するWOWOWの映画戦略の一端について聞いた。 新たな一歩を踏み出した「ゴールデンカムイ」 「ゴールデンカムイ」は野田サトルの大ヒット漫画の実写映画化。WOWOW...
鈴木隆
2024.5.22
夢枕獏が「心の底から感動した」と圧倒的な賛辞を贈った「陰陽師0」。「エコエコアザラク」「K-20 怪人二十面相・伝」「アンフェア」など大ヒットエンターテインメント作品を連発してきた佐藤嗣麻子監督の念願の企画。満を持して映画化に取り組んだ。 呪いやたたりから都を守る陰陽師の、学びやであり行政機関でもある「陰陽寮」が政治の中心となっていた平安時代。青年・安倍晴明は天才と呼ばれるほどの呪術の才能をもっていたが、陰陽師になる意欲も興味もない人嫌いの変わり者だった。ある日、彼は貴族の源博雅から、皇族の徽子(よしこ)女王を襲う怪奇現象の解明を頼まれる。晴明と博雅は時に衝突しながらも真相を追うが、ある学生...
2024.4.28
ロングランヒット中で原作漫画の再現度の高さが話題となっている映画「ゴールデンカムイ」の続編がWOWOWでドラマシリーズ化され、第1弾の「ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―」が今秋から放送されることが決まった。 コミックス(全31巻)は累計2700万部以上 原作は、野田サトル。「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載された。日露戦争で〝 不死身の杉元〟の異名を取った杉元佐一が、北海道でアイヌが隠したとされる大量の埋蔵金を、アイヌの少女アシリパとともに追っていく物語。コミックス(全31巻)は累計2700万部以上を発行、今年1月には久保茂昭監督、山﨑賢人主演で映画化され、3月12日現在...
猪狩淳一
2024.4.08
明治末期。日露戦争での戦いぶりから〝不死身の杉元〟と呼ばれ、北海道で砂金掘りをしていた杉元佐一(山崎賢人)は、アイヌの埋蔵金のウワサを知る。金塊のありかを探すために必要なのは、24人の囚人の体に彫られた入れ墨だという。そんな中で野生のヒグマに襲われた杉元は、アイヌの少女、アシㇼパ(山田杏奈)に命を救われ、行動をともにすることになる。 アニメ化もされて人気を呼んでいる野田サトルのベストセラー漫画が、実写映画化された。「キングダム」の黒岩勉が原作に忠実に脚本化。それぞれのキャラクターの持ち味や、アシㇼパがミソをオソマと呼ぶ名場面などを盛り込んでアイヌ文化を手際良く描き出した。名コンビを予感させる...
2024.1.19
俳優の山崎賢人主演で、シリーズ累計2700万部のベストセラー漫画を実写化した映画「ゴールデンカムイ」が1月19日、全国公開される。明治期の北海道を舞台にアイヌの埋蔵金を巡るサバイバル・バトルを描いた久保茂昭監督に、作品の見どころを聞いた。 アイヌ文化をしっかりと描く 「ゴールデンカムイ」は、2014~22年に「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載された野田サトルの人気マンガが原作。日露戦争で〝不死身の杉元〟と異名を取った杉元佐一(山崎)が、アイヌの少女アシㇼパ(山田杏奈)とともに、アイヌから奪われた莫大な金塊の隠し場所を刺青として彫られた24人の脱獄囚たちの行方を追う。その中で、同じく...
2024.1.17
「チェッ!」 「落ち着いて、アミーゴ。 僕だってしょうがないよ」 筆者の「バッドニュース」を聞いたモニターの向こうにいるAは、非常にがっかりした。スペイン人のジャンル映画マニアのAは、富川国際ファンタスティック映画祭(BIFAN)のプログラムを期待していたのだ。さらに今年は通常開催はもちろん 、 アジアではめずらしいメリエス国際映画祭連盟(MIFF。ポルト国際映画祭、ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭、シッチェスㆍカタロニア国際映画祭など、ヨーロッパを中心とした世界有数のジャンル映画祭ネットワーク)の加盟映画祭らしく、審査員の中にシッチェスㆍカタロニア国際映画祭(SITGES)の財団理事...
2022.7.14
〝今際の国〟での理不尽な〝げぇむ〟を行き抜き、クリアする度に手に入る数字のトランプをすべて集めたアリス(山﨑賢人)たち。ミラ(仲里依紗)から新たな戦いの幕開けを告げられたアリスは、絵札のカードをクリアするためにウサギ(土屋太鳳)たちと渋谷に向かうが、突然始まった銃撃戦に巻き込まれる。同時に複数の〝げぇむ〟に参加することができないのではないかという仮説を立て、別の会場に向かったアリスたちを迎えたのは、強烈なカリスマ性を持つキューマ(山下智久)だった。敵でありながらも〝げぇむ〟を通してキューマの生きざまに触れ、生きることの意味を考え始めるアリス。一方、ウサギは尊敬する父を死に追いやった元の世界に戻...
原作は、原泰久による大ヒット漫画「キングダム」。中国春秋戦国時代を舞台に、天下の大将軍になるという夢を抱く戦災孤児の少年・信(しん)と、中華統一を目指す若き王・嬴政(えいせい)の活躍を壮大なスケールで描く。本作は、「キングダム」(2019年)、「キングダム2 遥かなる大地へ」(22年)、「キングダム 運命の炎」(23年)に続く映画シリーズ4作目。前作「運命の炎」で信と王騎が挑んだ「馬陽の戦い」の続きが描かれる。 隣国、趙の侵略を迎え撃った「馬陽の戦い」で、敵将を討った信(山﨑賢人)と仲間たちの前に、趙国の総大将・龐煖(吉川晃司)が突如現れた。〝武神〟の圧倒的な力の前に、次々と命を落としていく...
安倍晴明の生誕1100年の記念作品。監督・脚本は、「K-20 怪人二十面相・伝」(2008年)や「アンフェア」シリーズを手がけた佐藤嗣麻子。 呪いや祟りから都を守る陰陽師の学校であり省庁の「陰陽寮」が政治の中心だった平安時代。呪術の天才と呼ばれる若き安倍晴明(山崎賢人)は、陰陽師になる意欲や興味がない人嫌いの変わり者だった。ある日晴明は、貴族の源博雅(染谷将太)から皇族の徽子女王(奈緒)を襲う怪奇現象の解決を頼まれる。衝突しながらも共に真相を追うが、ある学生の変死をきっかけに、平安京をも巻き込む凶悪な陰謀と呪いが動き出す。 ©2024 映画「陰陽師 0」製作委員会
原作・池井戸潤×主演・役所広司! 足袋作り百年の老舗が、会社の存続を懸けてランニングシューズの開発に挑む、感動の企業再生ストーリー! ©池井戸潤 ©TBS U-NEXT Paraviコーナーで全話配信中
原作は、集英社「週刊ヤングジャンプ」に約8年わたって連載され、「マンガ大賞2016大賞」や、「手塚治虫文化賞 マンガ大賞」(2018年)、「第51回日本漫画家協会賞大賞」(22年)を受賞した野田サトルによる同名漫画。日露戦争終結直後の北海道を舞台に、莫大なアイヌの埋蔵金を巡る一攫千金ミステリーと、厳しい大自然の中で魅力的なキャラクターたちによって繰り広げられるサバイバル・バトルアクションが多くのファンを魅了するシリーズ累計2500万部を超えるベストセラーの実写映画化。 明治後期の北海道。〝不死身の杉元〟の異名を付けられた日露戦争の英雄・杉元佐一(山崎賢人)は、ある目的のために砂金採りに明け暮...
引きこもりがちの有栖良平(アリス)は優秀な弟と比較され居心地が悪くなり家を出て行く。親友のカルベ、チョータと渋谷のスクランブル交差点をふざけて渡っていると、大きな事故を引き起こしてしまう。警察の目を盗んで逃げ出し、隠れたトイレを出るとそこは命をかけた「GAME」をおこなうパラレルワールドへ迷い込んでしまう。 Netflixシリーズ「今際の国のアリス」は配信中 © Haro Aso,Shogakukan / ROBOT
原作は、原泰久による漫画「キングダム」。中国春秋戦国時代を舞台に、天下の大将軍になるという夢を抱く戦災孤児の少年・信(しん)と、中華統一を目指す若き王・嬴政(えいせい)の活躍を描く。2019年に映画「キングダム」、2022年に続編「キングダム2 遥かなる大地へ」が公開されると、それぞれ、同年の実写邦画作品1位の興行収入を記録。累計でも100億円を超えるヒットとなった。シリーズ3作目となる本作。隣国、趙の侵略を迎え打つ「馬陽の戦い」と、嬴政の知られざる過去が登場する原作でも人気の「紫夏編」が描かれる。 中国春秋戦国時代。戦災孤児として育った信(山﨑賢人)は、亡き親友と瓜二つの秦の国王・嬴政(吉...
これが大将軍への第一歩だ―― 信は、漂の想いを胸に初陣に挑む! 時は紀元前。春秋戦国時代、中華・西方の国「秦」。戦災孤児として育った信しん(山﨑賢人)は、王弟のクーデターにより玉座を追われた若き王・嬴えい政せい(吉沢亮)に出会う。天下の大将軍になると一緒に誓いながらも死別した幼馴染の漂 ひ ょうとうり二つの国王に力を貸し、河了貂かりょうてん(橋本環奈)や山の王・楊端和ようたんわ(長澤まさみ)と共に王宮内部に侵入する。信は立ちはだかる強敵を打ち破り、みごと内乱を鎮圧。玉座を奪還することに成功した。しかし、これは途方もなき戦いの始まりに過ぎなかったー