第79回毎日映画コンクールで助演俳優賞を受賞した「一月の声に歓びを刻め」のカルーセル麻紀

第79回毎日映画コンクールで助演俳優賞を受賞した「一月の声に歓びを刻め」のカルーセル麻紀

2025.2.01

助演俳優賞 カルーセル麻紀のむき出しの悲哀 第79回毎日映画コンクール【選考経過・講評】

2024年を代表する映画、俳優を選ぶ「第79回毎日映画コンクール」。時代に合わせて選考方法や賞をリニューアルし、新たな一歩を踏み出します。選考経過から受賞者インタビューまで、ひとシネマがお伝えします。

第79回毎日映画コンクール各賞が決まった。俳優部門は今回から、男女の別を廃止した。「主演俳優賞」「助演俳優賞」とし、それぞれ2人までを受賞者とする。約70人の選考委員による投票の上位得票者が候補となり、2次投票を実施。
 
助演俳優賞候補者は、池松壮亮(ぼくのお日さま)▽奥平大兼(Cloud クラウド)▽忍足亜希子(ぼくが生きてる、ふたつの世界)▽カルーセル麻紀(一月の声に歓びを刻め)▽佐藤二朗(あんのこと)▽藤竜也(大いなる不在)▽山田孝之(正体)▽吉岡里帆(正体)。


「一月の声に歓びを刻め」© bouquet garni films

幻想的な映像に負けぬ眼光

【講評・カルーセル麻紀】えっ、カルーセル麻紀って、あの? けれども3章仕立ての三島有紀子作品「一月の声に歓びを刻め」で、雪と氷に囲まれた洞爺湖畔の一軒家に独り住む初老のマキを演じるカルーセル麻紀の慟哭(どうこく)の演技を見ていると、男とか女とかを超えたむき出しの悲哀が手渡しで伝わってきて、もう粛然としてくる。かつて次女を失い、性別適合手術を受けて母親として生きてきたマキ。幻想的な映像に負けないカルーセル麻紀の眼光の強さも驚異的。(北川れい子)

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  • 第79回毎日映画コンクールで助演俳優賞を受賞した「一月の声に歓びを刻め」のカルーセル麻紀(右)と三島有紀子監督
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