韓国ドラマ「涙の女王」がスマッシュヒット。その立役者となったのが、夫婦役を務めたキム・スヒョンとキム・ジウォンだ。ここでは、人気俳優の2人が出演したおすすめ作品を4作紹介する。
 

キム・スヒョン主演ドラマ「サイコだけど大丈夫」Netflixで独占配信中

 「涙の女王」と同じ韓国のケーブルテレビ局tvNで2020年に放送され、Netflixで配信されている「サイコだけど大丈夫」（全16話）は、愛を知らない童話作家のコ・ムニョンと精神病棟で働く保護士（精神病棟で働く介護士のような職）のムン・ガンテが、愛を知っていく物語。コ・ムニョンをソ・イェジ、ムン・ガンテをキム・スヒョンが演じた。
 
ガンテは、自閉スペクトラム症の兄サンテ（オ・ジョンセ）の面倒を見ながら真面目に働く青年。ガンテは、サンテが定期的にみる〝ある夢〟のたびに引っ越しをしなければならず、人と深く関わらずに生きてきた。しかし、目の前に現れたムニョンから強烈なアプローチを受け、これまでの日常が一変する。
 
母親によるトラウマのせいで〝サイコ〟なムニョンは登場から強烈で、子どもにも容赦のない態度に正直ドン引きするばかりだが、ガンテに直球でぶつかっていく姿は誰よりもピュア。あの手この手で「愛している」と伝えまくり、自分と他人の感情に背を向けてきたガンテの固く閉じた心をこじ開けまくるムニョンに、ガンテと同じく視聴者も引き込まれていく。
 
お互いの心に触れ、いやされていく2人の姿が幻想的で美しい映像と共に濃密に描かれ、没入感たっぷりな本作。ソ・イェジにしか着こなせない個性あふれる美しい服やヘアスタイルにメーク、キム・スヒョンとオ・ジョンセの心を打つ演技、パク・ギュヨン、キム・ジュホン、カン・ギドゥン、パク・ジンジュ、キム・ミギョンがそれぞれ演じたキャラクター全てがこのドラマにぴたりとハマっていた。
 

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キム・スヒョン初主演映画「シークレット・ミッション」U-NEXTで配信中

 キム・スヒョンが映画初主演を務めた本作は、韓国に潜入した北朝鮮のエリートスパイの青年を描くサスペンスアクション映画。韓国で13年に公開され、観客動員数600万人を超えたヒット作で、日本ではU-NEXTなどで配信されている。
 
韓国の人気ウェブ漫画を実写映画化した本作は、韓国で〝バカな青年〟を演じる、という命を受けた北朝鮮のエリートスパイのリュファン（キム・スヒョン）が主人公。バカな青年ドングとして2年もの月日を韓国で過ごしたリュファンの前に、〝ミュージシャンになる男〟を演じるヘラン（パク・ギウン）、元部下であり〝高校生〟を演じるヘジン（イ・ヒョヌ）という2人のスパイが派遣されてくる。
 
運動神経抜群で優秀という本来の姿をみじんも見せず、大真面目にバカなふりをするリュファンの行動が爆笑の連続。階段からド派手に転んだり、外であられもない姿をさらしたり、あえて鼻水を垂らすなどキム・スヒョンが体を張りまくり。リュファンとドングの振り幅が大きく、笑いが止まらない前半から、過酷な作戦実行命令によってシリアスになる後半の展開が絶妙なバランスで成り立っていて、見事としか言いようがない構成となっている。
 
また、ロックな生き方のヘラン、熱烈にリュファンを慕うヘジンとキャラが立っている2人が良い味を出していた。ほかにも、「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」「無人島のディーバ」のパク・ウンビン、「パラサイト　半地下の家族」のチェ・ウシクが出演している。
 

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キム・ジウォン主演ドラマ「サム、マイウェイ〜恋の一発逆転！〜」U-NEXTで独占配信中

 パク・ソジュンとキム・ジウォンが共演した「サム、マイウェイ〜恋の一発逆転！〜」（全16話）は、夢に再挑戦する男女を描くラブコメディー。17年に韓国で放送され、日本ではU-NEXTで配信されている。
 
将来有望だった元テコンドー選手で現在はダニ駆除業者のコ・ドンマン（パク・ソジュン）と、アナウンサーを目指していたがデパートの案内係として働くチェ・エラ（キム・ジウォン）は、同じアパートに住む幼なじみ。30歳を前に崖っぷちにいる2人は、諦めかけていた夢を追いはじめ、そして〝ただの友だち〟だったはずが恋に落ちていく。
 
猪突（ちょとつ）猛進なドンマンと、気が強く曲がったことが嫌いなエラ。とにかく素直になれず不器用な2人の恋が、じれったく描かれる。2人の恋はもちろんのこと、2人が夢に向かって再び立ち上がる姿が心に刺さる。一度挫折を味わってから立ち上がるのは並大抵のことではなく、目標に向かって頑張っている人は魅力的に見えるということに、パク・ソジュンとキム・ジウォンの演技が説得力を持たせる。
 
ドンマンとエラの親友ジュマンとソリを演じたのは、アン・ジェホンとソン・ハユン。アン・ジェホンは「マスクガール」、ソン・ハユンは「私の夫と結婚して」でそれぞれ強烈なインパクトを与えたばかりだ。
 

キム・ジウォン主演ドラマ「都会の男女の恋愛法」Netflixで独占配信中

 チ・チャンウクとキム・ジウォンらが共演した、都会に住む男女6人の赤裸々な恋愛を描くドラマ。1話約30分、全17話で、日本ではNetflixで配信されている。
 
長期の休暇で海辺の街にやってきた建築家のパク・ジェウォン（チ・チャンウク）は、自由で魅力的なユン・ソナ（キム・ジウォン）という女性に出会い、恋に落ちる。2人だけの結婚式をするほどまでに急速に距離は縮まるが、ソナは姿を消してしまう。ジェウォンはソウルで彼女と再会を果たすが、彼女の本当の名前はイ・ウノで……。
　
キム・ジウォンは、イ・ウノのように秘密や抱えるものがある役柄を演じたらピカイチだ。「ワケありです」という雰囲気を出し過ぎず、わずかな違和感を漂わせる。言いたいことがあるけれど言わずにためる表情がとても切ない。口数が多くないからこそ、彼女が発する言葉がより際立ち、重要なものに感じられる。
 
一方、ジェウォン役のチ・チャンウクの、ソナに心奪われて未練たっぷりな演技はコミカルでチャーミング。端正な顔立ちでスペックも高いのに、周囲に少し変わり者だと引かれてしまう役柄がここまで似合う俳優もなかなかいないだろう。
 
本作は、男女の恋愛についてのインタビューを行っている、というモキュメンタリー形式で登場人物たちが心境を語るのだが、WEBドラマだからこそ、現代の男女の関係をオープンに語っているのが印象的。本音やプライドが入り交じるジェウォンたちの赤裸々な回答がリアルだ。
 
さらに、カン・ゴン（リュ・ギョンス）とオ・ソンヨン（ハン・ジウン）の元カップルのすれ違い、ギョンジュン（キム・ミンソク）とソ・リニ（ソ・ジュヨン）の価値観の違いなど、〝あるある〟エピソードがたっぷり。誰に共感するのか、見た後に無性に語りたくなるドラマだ。