(C)野田サトル/集英社(C)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

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2024.1.17

「新しくて懐かしい日本」での壮絶アクション!  久保監督が語る映画「ゴールデンカムイ」

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猪狩淳一

猪狩淳一

俳優の山崎賢人主演で、シリーズ累計2700万部のベストセラー漫画を実写化した映画「ゴールデンカムイ」が1月19日、全国公開される。明治期の北海道を舞台にアイヌの埋蔵金を巡るサバイバル・バトルを描いた久保茂昭監督に、作品の見どころを聞いた。

アイヌ文化をしっかりと描く

「ゴールデンカムイ」は、2014~22年に「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載された野田サトルの人気マンガが原作。日露戦争で〝不死身の杉元〟と異名を取った杉元佐一(山崎)が、アイヌの少女アシㇼパ(山田杏奈)とともに、アイヌから奪われた莫大な金塊の隠し場所を刺青として彫られた24人の脱獄囚たちの行方を追う。その中で、同じく金塊を狙う大日本帝国陸軍第七師団の鶴見篤四郎中尉(玉木宏)や死んだはずの新撰組の「鬼の副長」こと土方歳三(舘ひろし)らとの争いを繰り広げる……という壮大な物語だ。

久保茂昭監督

以前から原作の大ファンだったという久保監督。「映画化の話をもらった時は、本当にうれしかったけど、この原作をどこまで実写化できるか未知数で、頭が真っ白になった」と振り返る。原作の魅力について「明治の北海道での金塊争奪戦という、ちょっと西部劇を感じさせるストーリーはもちろん、キャラがすごく魅力的で、北海道の大自然の中でアイヌ文化と触れ合うことで、登場人物たちがいろいろな感情を持っていくところに一番ひかれました」と熱く語る。

久保監督は、アイヌ文化が受け継がれている北海道平取町の二風谷や、アイヌの資料館、クマ牧場など原作者の野田が取材で訪れた場所を約1年かけて巡った。「スタッフの中でアイヌのことを一番知っているんだという気持ちになるぐらい勉強しました」という。アイヌ文化を描くことに力を入れた久保監督は、原作でも見どころの一つであるアイヌ料理も実際に再現。動物や魚の肉や骨を細かく刻んだ「チタタㇷ゚」や汁物の「オハウ」を食べるシーンも見どころだ。「専門家に監修してもらって丁寧に再現して、試食もしました。」と明かす。

魅力的なキャラクター造形


旅順攻囲戦の戦闘シーン(C)野田サトル/集英社(C)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

壮絶なアクションシーンも見どころで、特に冒頭で描かれた日露戦争最大の激戦と言われる通称二〇三高地を巡る旅順攻囲戦の戦闘シーンはすさまじい迫力だ。映画「HiGH&LOW」シリーズで激しい集団アクションを描いた久保監督と、映画「キングダム」シリーズで中国の戦国時代の戦闘シーンを担当したアクション監督の下村勇二のタッグで描かれた。「どれだけ人が死んでいくんだという杉元や鶴見のトラウマになった壮絶な戦争を描かないと物語の推進力が生まれない」と軍事訓練を積み、実際に約200メートルの坂を作って、当初4日だった撮影を10日に延ばして撮影された。「悲惨さだけではなく、エンターテインメントではあってほしいと思ったので、下村さんと話し合って、うまくすみ分けしながら撮影していきました」。

個性的なキャラクターが多数登場するのも魅力の一つで、原作の再現度が話題になっている。主人公・杉元を演じた山崎は体重を約10キロ増やす肉体改造をして撮影に臨んだ。「戦争を体験して、最初は何を考えているか分からないような表情をしている杉元が、アシㇼパと出会って少しずつ優しい表情を見せていく姿をしっかり演じてくれた」と評価する。山田演じるアシㇼパは「杏奈ちゃんって、表情がすごい美しい瞬間があるんですけど、ちょっと振り向くと急に愛らしい顔にもなる。その二つを持っている女優さん。アシㇼパには本当にぴったりだと思いました」という。

アシパを演じる山田杏奈(C)野田サトル/集英社(C)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

特に砲弾の破片で頭を負傷してほうろうの額当てを付けた鶴見中尉を演じる玉木は、ビジュアルが公開されると原作ファンから絶賛の声が相次いだ。「原作でも傷を負う前の鶴見は美男で、人から愛される力がすごいのですが、玉木さんも自然と人を惹きつけるオーラを持っている。傷のメイクをしてもやはり美しい。そして鶴見の持つ狂気も爆発しています」と絶賛。〝脱獄王〟の白石由竹役の矢本悠馬について、「本人も原作が大好きで、白石が〝推し〟だそうで、『脱獄王らしい柔軟な感じを出してほしい』と頼んだら、体をかなり絞ってくれました。物語に緩急をもたらしてくれるような役者はなかなかいないのですが、矢本さんは引き出しがたくさんあるのでうまく演じてくれた」と感心する。

そして土方役の舘については「土方歳三が生まれ変わったら舘さんなんじゃないかという説得力がある。原作そのままでめちゃくちゃかっこいい。銃の撃ち方も、原作では手を伸ばしていたのを『すぐに撃つなら構えるひまはない』と脇に構えて撃つとか、教えてくれて、さすがだなと思いました。その辺も見どころですね」と話す。

土方歳三を演じる舘ひろし(C)野田サトル/集英社(C)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

開拓時代の男たちの冒険

他にも厳寒の北海道の大自然の中、ヒグマとの激しい戦いや、開拓時代の小樽の街での馬ぞりでの激しいアクションシーンなど見どころは満載だ。久保監督は「明治時代の北海道という設定ですが、未開の地で男たちが土地の文化を知りながら冒険するという幼い頃に見た西部劇にも通じるものがある。新しいけどどこか懐かしい日本をいろいろな世代な人に見てもらえれば」と作品への思いを語った。

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ライター
猪狩淳一

猪狩淳一

1968年、埼玉県生まれ、福島県出身。慶應義塾大学卒業後、毎日新聞記者に。京都支局在任中に同志社大学大学院総合政策科学研究科修了。その後、インターネット黎明期からデジタルメディアを担当し、毎日新聞デジタル(現MANTAN)取締役総編集長などを経て、2023年からソーシャルアクションラボ編集長

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