「チャレンジャーズ」©2023Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc.All Rights Reserved.

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2024.6.07

特選掘り出し!:「チャレンジャーズ」 スリリングな三角関係

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

「君の名前で僕を呼んで」「ボーンズ アンド オール」とヒネりの利いた愛の形を描いてきたルカ・グァダニーノ監督。今作はスポーツ映画にして三角関係のラブストーリーというくせ球である。

米国のテニス地方トーナメント決勝で、貧乏プロのパトリック(ジョシュ・オコナー)とスランプ中の一流選手アート(マイク・フェイスト)が対戦する。選手としては天と地の2人だが、アートの妻でコーチのタシ(ゼンデイヤ)を巡って愛憎が渦巻いている。決勝戦に重ね、3人の10年以上に及ぶ因縁を明らかにしていく。

高校テニス界の花形選手タシと、英才教育を受けて敵なしのアートとパトリックが、ある大会で出会う。タシが思わせぶりなそぶりでウブな男2人を翻弄(ほんろう)したことが、長年の三角関係の始まりだ。3人の立ち位置が変わるごとに三角形は形を変え、その総決算がこの決勝戦というわけ。試合が進むにつれて、この瞬間に至るまでのそれぞれの思惑と打算が明かされる。男女関係の確執にプロスポーツ界のヒエラルキーが絡み合って、物語は実にスリリング。スタイリッシュな映像と音楽に乗せて、鮮やかなラストカットまで飽きさせない快作だ。2時間11分。東京・丸の内ピカデリー、大阪ステーションシティシネマほか。(勝)

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