タイトルの「花腐し」（はなくたし）とは、きれいに咲いた卯木（うつぎ）の花をも腐らせてしまうという、じっとりと降りしきる長雨のこと。松浦寿輝の第123回芥川賞受賞の同名小説を原作に、日活ロマンポルノ作品から、「ヴァイブレータ」（2003年）や「共喰い」（2013年）など、多くの脚本を手がけてきた荒井晴彦が、主演に綾野剛、共演に柄本佑、さとうほなみを迎え、「火口のふたり」（2019年）に続く、4作目の監督作品としてのメガホンを執った。

廃れていくピンク映画業界で生きる映画監督・栩谷（綾野剛）と脚本家志望だった男・伊関（柄本佑）。梅雨のある日に出会った栩谷と伊関は、自分たちが愛したひとりの女優・祥子（さとうほなみ）について語り始める。そして、3人がしがみついてきた映画への夢がボロボロと崩れ始める中、それぞれの人生が交錯していく。

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