1944年6月6日、フランスノルマンディー海岸で連合国軍側に21万人の死傷者という甚大な損害を出しながらも実行されたDデイ上陸作戦。結果的には成功したこの作戦は、一方で生き残った人に、一生背負い続けることになるトラウマを刻みつけることになる。本作は作戦から70年後の2014年、Dデイ上陸作戦70周年記念式典に出席するため、イギリスのケアホームからフランスへ向かった89歳の退役軍人バーニー・ジョーダンの実話をもとに映画化された。

主人公のバーナードとレネの老夫婦を演じたのは、お互いに2度のオスカーを受賞しているマイケル・ケインとグレンダ・ジャクソン。50年ぶり2度目となる共演作は、本国イギリスでヒットを記録するが、グレンダは公開直前の23年6月15日に他界し、マイケルも本作を最後に俳優人生に幕を下ろすことになった。

2014年夏。イギリスの老人ホームで人生最期の日々を過ごしていた老夫婦バーナード（マイケル・ケイン）とレネ（グレンダ・ジャクソン）だったが、バーナードはフランスのノルマンディへひとり旅立つ。この行動は、彼が行方不明になったという警察のツイート（#The Great Escaper）をきっかけに、世界中の大ニュースとなる。2人が離れ離れになるのは、人生で2度目。決して離れないと誓った男がどうしてもはなればなれにならなければならなかった理由とは…。そして、必ず戻ってくると信じる妻の思いとは…。