葛飾北斎、喜多川歌麿らの江戸の名だたる浮世絵師たちが、並々ならぬ情熱を注いだ「春画」。超一級の芸術と呼べる作品が数多く生み出されたが、時代が明治に変わると〝猥褻物〟として取り締まりの対象になってしまう。アートとして再評価の機運が高まったのは、つい最近のこと。エロティシズムだけではない、多彩な表現内容、技巧、その創造性は、驚くほど多彩。〝笑い絵〟と称されユーモアをもって描かれる「生命」そのものの魅力について、100点以上に及ぶ春画と、国内外の美術コレクターや浮世絵研究家、美術史家、彫師、摺師などへの取材をもとに描かれる「性」と「生」を発見するドキュメンタリー。 本作の中で、葛飾北斎の「蛸と海女」で知られる「喜能会之故真通」をアニメーション化した映像に、森山未來と吉田羊が朗読で参加している。

©2023『春の画 SHUNGA』製作委員会
「袖の巻」鳥居清長・画（浦上蒼穹堂）