2019年、地下鉄料金の値上げ反対がきっかけに、チリのサンティアゴで民主化運動が動きだす。本作は、「チリの闘い」(1975〜79年)やチリ弾圧の歴史を描いた三部作「光のノスタルジア」(2010年)、「真珠のボタン」(15年)、「夢のアンデス」(19年)のパトリシオ・グスマンが、女性中心の社会運動がリーダーもイデオロギーもなく、爆発的なうねりとなっていく様子をカメラで捉えたドキュメンタリー。
ピノチェト軍事政権の誕生によって迫害され、国外で亡命生活を送っていたドキュメンタリー監督のパトリシオ・グスマンは、地下鉄の料金値上げがきっかけとなり、チリの民主化運動が動き始めたと知り、コロナ禍で1年近く遅れるも祖国へ入る。そこで見たものは、政党や労働組合等の団体が主導していた50年前とは異なり、リーダーもイデオロギーもなく、政党とも無関係な若者や女性たちが主役の社会運動だった。家父長制度が色濃く残るチリ社会の中で抑圧され続けた女性たちが150 万人のうねりとなり、尊厳ある生活を求めて警察や軍隊に立ち向かう姿にグスマンは感動する。そしてその運動は、22年に当時36歳のガブリエル・ボリッチ大統領の誕生に結実する。
公開日: 2024年12月19日
私の想う国
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原題:Mi país imaginario/My Imaginary Country
2021年 /チリ、フランス /83分 /G
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公式サイト: https://www.uplink.co.jp/watashino/
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