ルーマニア中部のトランシルバニア地方を舞台に、小さな村で起こった些細な対立が深刻な紛争へと発展していく様を描きながら、幾多の火種を抱えたヨーロッパ、そして分断された世界の危うい現状をあぶり出した社会派サスペンス。監督・脚本は、「4ヶ月、3週と2日」(2007年)でカンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを獲得、「汚れなき祈り」(12年)で同・女優賞と脚本賞、「エリザのために」(16年)では同・監督賞に輝いたクリスティアン・ムンジウ。
鉱山の閉鎖によって経済的に落ち込んだトランシルバニア地方の村に、出稼ぎ先のドイツで暴力沙汰を起こした粗野な男マティアスが舞い戻ってくる。しかし、妻との関係は冷めきっており、森で何かを目撃したことで口がきけなくなった幼い息子と、病気で衰弱した高齢の父への接し方にも迷うマティアスは、元恋人のシーラに心の安らぎを求める。ところが、シーラが経営を任されている地元のパン工場が、スリランカからの外国人労働者を迎え入れたことをきっかけに、よそ者を異端視した村人たちとの間に不穏な空気が流れ出す。やがて、些細な諍いは村全体を揺るがす激しい対立へと発展し、マティアスやシーラの人生をも一変させていく。
©Mobra Films-Why Not Productions-FilmGate Films-Film I Vest-France 3 Cinema 2022
公開日: 2023年10月13日
ヨーロッパ新世紀
予告編を見る:
監督 :
出演 :
製作総指揮 :
プロデューサー :
脚本 :
音楽 :
撮影 :
美術 :
編集 :
衣装 :
原題:R.M.N.
2021年 /ルーマニア、フランス、ベルギー /127分 /G
配給 :
公式サイト: https://rmn.lespros.co.jp/
関連記事
新着記事
ウルトラマン、ジョジョ、高倉健、都市伝説!「ダンダダン」の引用&独自性を考察
英国ルームメートと見た「SHOGUN 将軍」 英語にした途端にビュンっと戦国時代が身近に感じられる
フェイクニュースと陰謀論を疑似体験「エンタメ通してワクチンに」「フィクショナル」
黒澤明の大傑作「七人の侍」は、海外で今、どう見られているのか。メルボルン鑑賞リポート