「ニーチェの馬」(2011年)を最後に、56歳という若さで映画監督を引退したタル・ベーラ。1994年に約4年の歳月を費やして完成させた7時間18分に及ぶ「サタンタンゴ」に次いで発表された本作は、タル・ベーラの日本劇場初公開作。全編わずか37カットという長回しで、扇動者の声によって人々が対立していく様を描き出す。
ハンガリーの田舎町で、天文学が趣味のヴァルシェカ・ヤーノシュは、老音楽家エステルの身の回りを世話している。エステルは、ヴェルクマイスターという18世紀の音楽家が定めた音律を批判しているようだ。ある日、広場に見世物のクジラと、プリンスと名乗る扇動者が現れる。その声に煽られるように広場に群がる住人達。彼らの不満は沸点に達し、破壊とバイオレンスへと向かい始める。
©︎ G.ess Film, Von Vietinghoff Filmproduktion, 13 Production
公開日: 2024年02月23日
ヴェルクマイスター・ハーモニー 4K レストア版
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原題:Werckmeister harmóniák
1999年 /ハンガリー、ドイツ、フランス /146分
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公式サイト: https://www.bitters.co.jp/werckmeister/
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