Hanna Schygulla
1943年12月24日 生まれ
主な出演作・受賞歴「マリア・ブラウンの結婚」(1979)ベルリン国際映画祭女優賞受賞「ピエラ 愛の遍歴」(1983)カンヌ国際映画祭女優賞受賞「そして、私たちは愛に帰る」全米映画批評家協会賞助演女優賞受賞「すべてうまくいきますように」(2021)
社会派や青春もの、近作「すべてうまくいきますように」のような家族ドラマなど、近年も遺憾なく多才ぶりを発揮しているフランソワ・オゾン監督。今回は巨匠ライナー・べルナー・ファスビンダーの1972年作品「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」をリメークした。 舞台は72年、西ドイツのアパート。失恋の痛手を負った中年の映画監督ピーター(ドゥニ・メノーシェ)が、俳優志望の美青年アミールに一目ぼれし、彼を自宅に住まわせる。やがてアミールはメディアに注目されるが、ピーターは態度を一変させた彼に翻弄(ほんろう)されていく。 ほぼ予想通りに展開するメロドラマなのだが、はた目には愚かで自己破滅的なピーターの切実さを...
2023.6.09
タイトルの「リリー・マルレーン」は、第二次世界大戦中のドイツの流行歌で、時代に翻弄された実在の女性歌手の半生を描く。 ナチスの勢力が増す第二次世界大戦下のヨーロッパ。売れない歌手ビリーは、ユダヤ系名門一家の息子で音楽家のロバートと幸せに過ごしていたが、ある日ビリーがスイスへの入国を拒否され、二人が離れ離れになってしまう。歌手としての成功を夢見るビリーはナチスの高官に気に入られ、「リリー・マルレーン」をレコードに吹き込むことになるが、図らずも「リリー・マルレーン」は兵士たちの間で大人気となりビリーはスターになる。そんなある日、ロバートが偽造パスポートでドイツに侵入するが…。 2024年8月3...
19世紀ドイツの作家テオドール・フォンターネの小説を映画化。19世紀後半の家父長制度のなかで破滅の道をたどった女性の姿を描く。 20歳も上のインシュテッテン男爵と結婚したブリースト家の娘エフィは、年若い彼女をしつけようとする男爵に違和感を抱き、若くて魅力的な夫の友人、クランパス少佐と浮気をしてしまう。数年後、エフィと友人の裏切りを知った男爵は、クランパスに決闘を申し込むが…。 2024年8月30日より、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次開催される「ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー傑作選2024」にて日本劇場初公開。 ©︎Rainer Werner Fassbinder...
「ニーチェの馬」(2011年)を最後に、56歳という若さで映画監督を引退したタル・ベーラ。1994年に約4年の歳月を費やして完成させた7時間18分に及ぶ「サタンタンゴ」に次いで発表された本作は、タル・ベーラの日本劇場初公開作。全編わずか37カットという長回しで、扇動者の声によって人々が対立していく様を描き出す。 ハンガリーの田舎町で、天文学が趣味のヴァルシェカ・ヤーノシュは、老音楽家エステルの身の回りを世話している。エステルは、ヴェルクマイスターという18世紀の音楽家が定めた音律を批判しているようだ。ある日、広場に見世物のクジラと、プリンスと名乗る扇動者が現れる。その声に煽られるように広場に...
第二次世界大戦の真っ只中、マリアは恋人のヘルマンと結婚式を挙げるが、ヘルマンはすぐに戦線に戻り行方不明になってしまう。戦争末期から、戦後ドイツがめざましい復興を遂げつつある約10年間にわたるヒロインの生き方が描かれる。第29回ベルリン映画祭銀熊賞(女優賞)を受賞。 べンダース、ヘルツォークらと並んで「ニュー・ジャーマン・シネマ」の代表格と称された映画監督、ライナー・べルナー・ファスビンダーの本作と「不安は魂を食いつくす」の2作品と、ダニエル・シュミットが監督してファスビンダー原作の戯曲を映像化した「天使の影」を公開する「 ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー 傑作選 」で上映。 ©️ Ra...
91年の生涯で140本以上の映画を製作したジャン=リュック・ゴダール。ヌーべル・バーグを先導し、映画の真髄と称される映画作家の人生を紐解くドキュメンタリー。 ©10.7 productions/ARTE France/INA – 2022
フランソワ・オゾン監督が「焼け石に水」(2000年)以来、20年ぶりにライナー・ベルナー・ファスビンダーの名作「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」(1972)に現代的な視点とオゾン監督独自の美意識を加えて再創造に挑んだ。主人公のピーターを演じるのは、フランス屈指の人気俳優ドゥニ・メノーシェ。オゾン作品には、「危険なプロット』(2012年)、「グレース・オブ・ゴッド 告発の時」(2018年)に続く出演。ピーターの恩人で、ハリウッド帰りのスター女優シドニーに扮するのは、映画界のレジェンドであるイザベル・アジャーニ。1972年のオリジナル版にも主要な役で出演していたハンナ・シグラが本作ではピーターの母...
名匠フランソワ・オゾンが描く、涙とユーモアあふれる感動の物語。 芸術や美食を楽しみ、ユーモアと好奇心にあふれ、何より人生を愛していた父が突然、安楽死を願う。脳卒中で倒れたことがきっかけだが、治療の甲斐あって順調に回復しているにもかかわらず意思を曲げない父に、二人の娘たちは戸惑い葛藤しながらも、真正面から向き合おうとするーー。 公開:2023年2月3日 配給:キノフィルムズ © 2020 MANDARIN PRODUCTION – FOZ – France 2 CINEMA – PLAYTIME PRODUCTION – SCOPE PICTURES