Julia Garner
1994年1月31日 生まれ
「ジュリア・ガーナー」記事件数
この映画の製作年は2019年だから、大物プロデューサーのハーベイ・ワインスタインによる性加害事件が明るみに出て間もなく、ニューヨーク・タイムズ紙の特ダネの内幕を描いた「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」(22年)よりも先。ハラスメントを許す〝空気〟を、ハラスメントの実際の場面はおろかその言葉すら出さずに、むしろ出さないことでリアルに伝えた。小品ながら骨太の一作。 ジェーン(ジュリア・ガーナー)はニューヨークにある映画製作会社の新米アシスタント。その1日の出来事を描く。早朝に出勤して取り組むのは、細々した雑用ばかり。有名大学を卒業してプロデューサーを志望し、高い倍率をくぐり抜けて職...
2023.6.16
これまで#MeTooを取り上げた映画のなかで、もっとも優れた作品。といっても#MeTooって何、という方もおいででしょうから、ちょっとだけ説明を加えましょう。 権力を持つ者によって、本人の意志に反する性的加害が加えられた。権力を持った人は訴えられるとともに、性的加害が見過ごされることのないように法制度の整備が求められなければならないのですが、被害を受けた本人がそのことを訴えないか、あるいは訴えても相手にされず、多くの場合は沈黙を強制されてしまう。会社はもちろん、警察もマスメディアも相手にしてくれない。被害者はつらい立場に置かれてしまいます。 それが、被害経験を訴えた人が出てきて、マスメディ...
藤原帰一
2023.6.15
「希望とは、目覚めている人間が見る夢である。」 有名な哲学者アリストテレスが残した名言の一つである。では、希望を持つことができないとはどういうことなのか……。 周りから完全に遮断された閉鎖的な世界で、変わることを禁じられた人々が「生きよう」とする世界。映画「アリスとテレスのまぼろし工場」について語っていく。 変化することを禁止 14歳の菊入正宗はいつものように仲間たちと普通の毎日を過ごしていた。ある日、町の製鉄所爆発事故により町が一変。空に謎のひび割れができ、時が止まってしまった。再び町が元に戻った時に支障をきたさないよう、変化することを町民一同禁止し、正宗たち学生は〈自分確認票〉...
堀陽菜
PRワーナーブラザース映画、MAPPA
2023.9.13
「ジョンベネ殺害事件の謎」(2017年)のドキュメンタリー映画作家キティ・グリーンが、ハリウッドを発端に巻き起こった<#Me Too運動>を題材にとった自身初の長編作品。映画業界を舞台にしながら、さまざまな職場が抱える問題とヒエラルキー最下層の人々に共通する経験を浮き彫りにする。主人公のジェーンを演じたのは、3度にわたるエミー賞助演女優賞に輝いたジュリア・ガーナー。 名門大学を卒業したジェーン(ジュリア・ガーナー)は、映画プロデューサーという夢を抱いて有名エンターテインメント企業に就職した。業界の大物である会長のもと、ジュニアアシスタントとして働き始めたが、そこは早朝から深夜まで平凡な事務作...
ドイツの大富豪の令嬢をかたり、NYの上流階級をあざむいたアンナ・デルベイ。彼女は野心的な起業家か、それとも詐欺師か? ひとりの記者が、彼女の真実に迫る。 Nicole Rivelli/Netflix (C) 2021