海辺の彼女たち
技能実習生としてベトナムから来日したフォン(ホアン・フォン)、アン、ニューが劣悪な労働環境に耐えかねて脱走した。ブローカーの手引きで、ある漁村にたどり着いた3人は、母国の家族を思いながら働き始めるが、フォンが体調不良に見舞われる。 移民や出稼ぎ労働者を巡る問題は世界中の映画で取り上げられているが、本作の舞台は日本。在日ミャンマー人家族を描いた「僕の帰る場所」の藤元明緒監督が、多発する外国人労働者の失踪問題を背景に撮り上げた長編第2作である。感傷を排したリアリズムを貫くとともに、心身共に過酷な極限状況に陥っていく主人公フォンの行動範囲に視界を限定した演出が効果的。雪に覆われた港町の凍(い)てつ...