セックス、美、富というパワーゲームの中で利用されながらも、自らの幸せを勝ち取ろうと全力で奮闘する、ロシア系アメリカ人の若きストリップダンサーの生き方を通して描く現代のシンデレラストーリー。監督・脚本は全篇をiPhoneで撮影した「タンジェリン」（2015年）やアカデミー賞助演男優賞ノミネートの「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」（17年）、カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作「レッド・ロケット」（21年）のショーン・ベイカー。主人公のアノーラ（愛称：アニー）を演じたのは、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」（19年）や「スクリーム」（22年）のマイキー・マディソン。彼女に夢中になるロシア新興財閥の息子イヴァンを、〝ロシアのティモシー・シャラメ〟と親しまれているマーク・エイデルシュテインが演じている。

NYのストリップダンサー、〝アニー〟ことアノーラは、職場のクラブでロシア人の御曹司イヴァンと出会い、彼がロシアに帰るまでの7日間、1万5千ドルで〝契約彼女〟になる。パーティーにショッピング、贅沢三昧の日々を過ごした2人は、ラスベガスの教会で衝動的に結婚してしまう。ところが、息子が娼婦と結婚したと聞いたロシアの両親は猛反対。結婚を阻止すべく、屈強な男たちを送り込む。ほどなくして、イヴァンの両親がロシアから到着。空から舞い降りてきた厳しい現実を前に、アニーの物語の第二章が幕を開ける。
 
本作は、第82回ゴールデングローブ賞の作品賞（ミュージカル・コメディ部門）、監督賞、脚本賞、主演女優賞（ミュージカル・コメディ部門）、助演俳優賞にノミネートされた。