「ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女」 〝加害者〟へと変容していった数奇な軌跡
第二次世界大戦中のドイツでナチに協力し、数百人ものユダヤ人を密告したステラ・ゴルトシュラーク(パウラ・ベーア)。ジャズシンガーを志し、アメリカ行きを夢見ていた若く享楽的なユダヤ人女性は、なぜ同胞を売るようになったのか。その数奇な軌跡を描く実録歴史劇だ。 軍需工場での強制労働、身分証を偽造する青年との潜伏生活、ゲシュタポによる残忍な拷問。キリアン・リートホーフ監督はこれらの悲劇的なエピソードを通して〝被害者〟としてのステラを描く一方、強制収容所行きを逃れるため、次第に積極的な〝加害者〟へと変容していった彼女の罪の重さを映し出す。時系列に沿って戦後の裁判まで映像化したストーリー展開は、いささか断...