男優賞・役所広司「パーフェクトデイズ」はじめ力作、秀作並んだカンヌ 賞の数が足りなかった! 第76回カンヌ国際映画祭
第76回カンヌ国際映画祭は、「怪物」(是枝裕和監督)の坂元裕二に脚本賞、「パーフェクトデイズ」(ビム・ベンダース監督)の役所広司に男優賞と、日本映画に2賞をおくった。コンペティション部門は、最高賞のパルムドールに選ばれた「アナトミー・オブ・ア・フォール」はじめ力作ぞろい。受賞作を中心に振り返ってみた。 自分の国の映画で世界の人を楽しませたい 役所広司の男優賞は、誰もが納得。授賞式でもその後の記者会見でも拍手はひときわ大きかった。「パーフェクトデイズ」で主人公の公共トイレ清掃員、平山の質素で満ち足りた日常を丹念に演じ、会期中から「ため息や間など、繊細な演技で主人公の存在を実感させる...

勝田友巳
2023.6.02