Ari Aster
1986年7月14日 生まれ
映画監督「ヘレディタリー/継承」(2018年)「ミッドサマー」(2019年)「ボーはおそれている」(2023年)
「ボーはおそれている」 「パスト ライブス/再会」 「悪は存在しない」 「関心領域」 「あんのこと」 「ディア・ファミリー」もお忘れなく 「ボーはおそれている」と「関心領域」は全くタイプの違う映画だが、不快感が鑑賞時からふつふつとわき、今も思い出せば心をざわざわさせられる。この感じは田舎町で真夜中に叫び声を聞いた体験に似ている。 「あんこのと」「悪は存在しない」もまた違った映画だが、どちらも新型コロナウイルス禍を描いた作品。あの約3年を経て、映画人の意識の変化はこれからの作品に色濃く残っていくのだろうか。それはどんなものなのであろうか。 「パスト ライブス」は3人の...
宮脇祐介
2024.7.13
「ボーはおそれている」 「オッペンハイマー」 「パスト ライブス/再会」 「関心領域」 「マッドマックス:フュリオサ」 色あせない〝何か〟が残る 例によってオフィシャルライターで参加している作品があるため、日本映画に関しては省きました。しかし、海外の作品だけでも5本に絞ることは困難なほど充実した半年間だったと思います。鑑賞後に強烈な〝何か〟が残り、かつ時間を経ても色あせなかったものを中心に選出しましたが、他にも「哀れなるものたち」「落下の解剖学」「インフィニティ・プール」「システム・クラッシャー」「ありふれた教室」「バティモン5望まれざる者」「HOW TO BLOW U...
SYO
2024.7.04
「ヘレディタリー/継承」「ミッドサマー」で現代ホラーの新境地を開拓したアリ・アスター監督。新作もシュールな神経症的悪夢という点では共通だが、本作はリミッター解除、不可解さ倍増でしかもコメディー調。大怪作である。 極度の心配性であるボー(ホアキン・フェニックス)が、母親の元に向かう道中の災難を描く――という筋立ては単純だが、4章仕立ての行程たるや奇々怪々。第1章で、不穏な一角に暮らすボーは敵意と暴力にさらされ家から閉め出され、あげくに半殺しの目に遭う。第2章で親切そうな医師一家の屋敷に滞在するが、医師夫妻は戦死した長男の代わりに精神を病んだその戦友を世話し、長女は親に愛されていないと思い込んで...
2024.2.16
「ヘレディタリー/継承」「ミッドサマー」と怪作を連打したアリ・アスター監督の新作「ボーはおそれている」。当人は「これはホラーじゃない。コメディー」と言い、確かに笑えるものの、その笑いは痛いしグロい。恐るべき3時間。来日したアスター監督、人気と期待を集めて連日の取材漬け。さすがにお疲れの様子だったものの、摩訶(まか)不思議な脳内をチラリとのぞかせた。 プロデューサーは不安だったかも 主人公ボーが母親に会いに行く旅なのだが、映画はのっけから全部ヘン。ボーが住むアパートのある一角では、あちらでは殴り合い、こちらには薬物中毒者がフラフラし、路上に遺体が横たわる。ボーは怪しげな追っ手を...
勝田友巳
2024.2.15
近年、お決まりの定型をはみ出したユニークな作品が次々と作られているスリラー&ホラー映画。2024年も多彩な新作が待機しているこのジャンルの注目作を、この春までに見られる作品を中心に紹介していこう。 スリラー編 カンヌで最高賞「落下の解剖学」(フランス) 2月23日 まずはスリラー編。フランス映画「落下の解剖学」(2月23日公開)は、人里離れた雪山の山荘で起こった中年男性の変死事件をめぐる物語だ。第1発見者は視覚障害を持つ11歳の息子ダニエル。通報者であるベストセラー作家の妻サンドラに殺人容疑がかけられる。 本作の見どころは、まさしく事件を〝解剖〟するかのごとく、検事、弁護...
高橋諭治
2024.1.25
気鋭のスタジオA24と「ヘレディタリー/継承」(2018年)や「ミッドサマー」(19年)などのアリ・アスターがタッグを組んだドリーム・スリラー。監督・脚本は、「シック・オブ・マイセルフ」(22年)で長編デビューを果たしたクリストファー・ボルグリ。「ザ・ロック」(1996年)や「コン・エアー」(97年)、「フェイス・オフ」(97年)など、100本以上の映画出演歴をもつオスカー俳優ニコラス・ケイジが主演する。ケイジは、本作で第81回ゴールデングローブ賞主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)にノミネートされた。 ごく普通の暮らしをしていた大学教授のポール・マシューズ(ニコラス・ケイジ)は、ある日...
不慮の事故で家族を亡くした大学生のダニーは、スウェーデンの奥地で開かれる〝90年に一度の祝祭〟に、民俗学を研究する恋人や友人たち5人で訪れる。そこは太陽が沈まない白夜の村で、優しい住人が陽気に歌い、美しい花が咲き乱れる楽園のような場所だった。しかし、しだいに不穏な空気が漂い始め、ダニーは想像を絶する悪夢に襲われる。 2024年8月9日にシネマート新宿で開催される「白夜に光り輝く 産毛ナイト!」で上映。 同時上映「LAMB/ラム」(2021年)、「ぼくのエリ 200歳の少女』(08年) ©2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.
「ヘレディタリー/継承」(2018年)や「ミッドサマー」(19年)のアリ・アスター監督の最新作。気鋭の映画スタジオA24と三度目のタッグを組んだ本作は、「ジョーカー」(19年)でアカデミー賞主演男優賞を受賞したホアキン・フェニックスが主演を務める。 ある日、⽇常のささいなことでも不安になる怖がりの男ボー(ホアキン・フェニックス)は、さっきまで電話で話していた⺟が、突然怪死したことを知る。⺟のもとへ駆けつけようとアパートの⽞関を出るが、そこはもういつもの⽇常ではなかった。次々に奇妙で予想外の出来事が起こる⾥帰りの道のりは、いつしかボーと世界をのみこむ壮⼤な物語へと変貌していく。 © 2023...
クリストバル・レオンとホアキン・コシーニャのコンビによる短編。 2023年、美術館建設に伴う調査で、ある映像が発掘された。それは、少女が人間の死体を使って謎の儀式を行っているもので、1901年に制作された作者不明の世界初のストップモーション・アニメ(…という設定)。 第78回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門最優秀短編映画賞、ひろしまアニメーションシーズン2022環太平洋・アジアコンペティション最優秀賞ほかを受賞。 「 オオカミの家 」と同時上映。 © Pista B Diluvio, 2023