たつみ りゅうたろう
1905年4月19日 生まれ
東映の正統な任俠路線は約10年を経て、本作で終焉を迎えることになる。八王子の市蔵(高倉健)と青梅の参次郎(渡辺文雄)は義兄弟で、市蔵は参次郎の妹・お幸(大谷直子)と結婚している。ところが参次郎と組む十国一家が市蔵の縄張り内で賭場を開いたことから市蔵と参次郎の関係が怪しくなる。ついに2人の間に板挟みになったお幸が自害。市蔵は渡世の掟を捨てて、単身、参次郎の組に殴り込み、義兄を血祭りに上げる。
シリーズ11作で最終話。明治20年、金沢に流れてきた松吉(高倉健)は空腹で動けなくなったところを芸者の小芳(十朱幸代)に救われた。松吉は黒兵衛(辰巳柳太郎)が経営する北陸逓送で働く。一方で博徒上がりの本堂(渡辺文雄)が仕切る政治団体・救国社が代議士・青山(大木実)の命を狙っていた。 松吉が金沢を去って5年。選挙で苦戦する青山に、松吉が加勢。やがて本堂が青山を傷つけ、ついに松吉の怒りが爆発する。(追悼特別展「高倉健」図録より)