おおたに なおこ
1950年4月02日 生まれ
東映の正統な任俠路線は約10年を経て、本作で終焉を迎えることになる。八王子の市蔵(高倉健)と青梅の参次郎(渡辺文雄)は義兄弟で、市蔵は参次郎の妹・お幸(大谷直子)と結婚している。ところが参次郎と組む十国一家が市蔵の縄張り内で賭場を開いたことから市蔵と参次郎の関係が怪しくなる。ついに2人の間に板挟みになったお幸が自害。市蔵は渡世の掟を捨てて、単身、参次郎の組に殴り込み、義兄を血祭りに上げる。
津軽海峡の海底トンネル工事をする男たちの苦闘を描く。昭和29年、青函トンネル技術調査団員の阿久津(高倉健)は海峡を調べ始めた。阿久津が集めた労働者の中には超ベテランの源助老人(森繁久弥)、洞爺丸の事故で両親を失った仙太(三浦友和)などがいる。かくして長い年月が経ち、阿久津も中年になったが、トンネルはまだ半分にも達していない。トンネルに大出水が起き、最新最高の技術を駆使する人間は自然との闘争に挑む。(追悼特別展「高倉健」図録より)