「BAUS 映画から船出した映画館」 多くの人に愛された文化空間の約90年
2014年に惜しまれつつ閉館した東京・吉祥寺の映画館「吉祥寺バウスシアター」。1925年に吉祥寺初の映画館「井の頭会館」が生まれ、ムサシノ映画劇場、バウスシアターと形を変えながら多くの人に愛された文化空間の約90年が描かれる。 バウスの総支配人だった本田拓夫の著書を元に故青山真治監督が脚本化を進めていたが、青山監督が22年に急逝し、甫木元空(ほきもとそら)監督が引き継いだ。東北から上京して井の頭会館と出合い、その後、劇場社長に任命される主人公を染谷将太、その息子タクオの晩年をロックミュージシャンの鈴木慶一が演じる。 老人となったタクオの回想を入り口に、戦前の活弁、トーキー映画、戦火、経済発...