ラッキー弁当代表・今井道明さん

ラッキー弁当代表・今井道明さん

2022.12.13

料理人の人柄がヒミツの調味料!? 栃木県佐野市から届ける、心と舌に焼きつくロケ飯

3度の飯より映画が好きという人も、飯がうまければさらに映画が好きになる。 撮影現場、スクリーンの中、映画館のコンフェクショナリーなどなど、映画と食のベストマリッジを追求したコラムです。

宮脇祐介

宮脇祐介

「どの作品の現場に入っているのか、分からないことが多いんですよ」
栃木県佐野市にあるラッキー弁当代表・今井道明さんは、制作部やロケバスの運転手のいわば「仲間」から予約を受ける。そのため請求書の送付やクランクイン、クランクアップのとき熨斗(のし)に作品名を書かない限り、どの現場に行っているかが分からないという。

▲写真提供:ラッキー弁当
 
以前は市内の工場で働いていた今井さん。二十数年前に親類がやっていた弁当チェーンの1店を任されたことから、初めて料理の世界に入った。
観光協会からロケ飯の要請があり、15年ほど前からケータリングを中心に弁当なども現場に納めている。

変化の多い映画の現場にほっと一息、笑顔を運ぶお弁当 

「初めが弁当なので、何でも作れることが売り」だと謙遜する。
野菜や副菜もちゃんと出す。

▲写真提供:ラッキー弁当

特にリクエストの多い「鳥白湯スープ」はお店の一押し。
暑いときも寒いときも、野菜やキノコを入れて栄養のバランスをとる大切な一品であり自慢の一品。
また、人気の「あじ高菜めんたい丼」はあじを焼いてほぐして、高菜、めんたいや薬味をたっぷり乗せてビビンバのようにかき混ぜて食べる。この丼のファンも多い。
話を聞いているだけで、思わずつばを飲み込む。
 

▲写真提供:ラッキー弁当

組付きのときは食事を提供しながら、「明日は何が食べたい?」とスタッフに話しかけてメニューを考えることもある。
 
そんなフレキシブルでフレンドリーな人柄からか、栃木県内だけでなく、群馬県や神奈川県、千葉県、福島県のロケにも呼ばれることもある。
朝は予約の給食弁当を作り、昼や夕食、夜食のケータリングの任につく。
いくら終わりが遅くなっても必ず佐野に帰って、次の日の給食弁当を作ってから、またケータリングに行くという。
いつも今井さんの弁当を楽しみにしている地元の人々にも、心が行き届いている。
 
現場で働いている「仲間」の「ありがとう」、「いただきます」、「おいしかった」、「ごちそうさまでした」のシンプルな言葉をありがたいと感じる。
食べている人の笑顔が好きだ、と。
 
下積みからトップに上がってきた俳優さんが、違う現場で会ったときにも名前を呼びながら駆け寄ってくる姿には喜びを感じた。
きっと今井さんの味と人柄が強く舌と心に焼きついたのであろう。
 

求められると頑張れる! 人に愛され地域に頼られる今井さん

そんな多忙な生活の中で何が楽しみなのか聞いとみると、「高校の部活の先輩や後輩と子供たちに体操を教えているんですよ」と笑顔で答えた。
高校の体操部が廃部になったとき、体操部の顧問から道具の活用について相談があった。
一も二もなく預かって、仲間と共同で体操教室を始めたという。
教え子からもらった絵手紙をうれしそうに広げた。

▲写真提供:ラッキー弁当

こんな人ならまたケータリングを頼みたいと思うに違いない。
 
そんな今井さんも、お店を手伝ってくれていた母親には大きな影響を受けたという。
働き者だったそうだ。
母が死んだときも、川が氾濫して店に水が入ったときも弁当作りを続けたという。
母ならきっと働けと言うであろうと思ったからだそうだ。
 
今井さんの作る食事を、いつも誰かが待っている。
そして、そんな人々への思いやりの想像力がはち切れんばかりの心を持った大きな人だった。
 

☑人気ロケ飯

【鳥白湯スープ】
鳥ガラを煮込んで作る白湯スープはまさに具だくさん。
店で仕込みをして現地で温め、三つ葉などの青物を加える。
元気も出るし、暑さ寒さを吹き飛ばす一杯だ。
食の細い時は飯にぶっかけて食べるとサラサラと喉を通り、腹を満たす。
▼ラッキー弁当 Instagram(外部リンク)▼
https://www.instagram.com/lucky.bento.365/

▲写真提供:ラッキー弁当
 
今井さんのロケ飯にお世話になった映画「島守の塔」(毎日新聞社など製作委員会)が、本日より各種プラットフォームにて配信開始。
※ABEMA、dTV、DMM TV、Google play、GYAO!ストア、Hulu ストア、iTunes、J:COM オンデマンド、Paravi、Prime Video、RakutenTV、TELASA、U-NEXT、YouTube、クランクイン!ビデオ、ひかり TV、ビデオマーケット、ビデックス、みるプラス
希望小売価格
TVOD HD:500 円 /SD:400 円
EST HD:2,500 円/ SD:2,000 円
提供元/東宝株式会社

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島守の塔

県民の4人に1人、約20万人が犠牲となった「沖縄戦」。「命(ぬち)どぅ宝、生きぬけ!」と叫んだ 2人の官僚と、「沖縄戦」に翻弄される沖縄県民。それぞれの苦悩と生きることへの奮闘を描き、沖縄本土復帰50周年の節目に「命の尊さ」を次世代に継承する映画が誕生しました。

ライター
宮脇祐介

宮脇祐介

みやわき・ゆうすけ 福岡県出身、ひとシネマ総合プロデューサー。映画「手紙」「毎日かあさん」(実写/アニメ)「横道世之介」など毎日新聞連載作品を映像化。「日本沈没」「チア★ダン」「関ケ原」「糸」など多くの映画製作委員会に参加。朗読劇「島守の塔」企画・演出。追悼特別展「高倉健」を企画・運営し全国10カ所で巡回。趣味は東京にある福岡のお店を食べ歩くこと。

カメラマン
宮脇祐介

宮脇祐介

みやわき・ゆうすけ 福岡県出身、ひとシネマ総合プロデューサー。映画「手紙」「毎日かあさん」(実写/アニメ)「横道世之介」など毎日新聞連載作品を映像化。「日本沈没」「チア★ダン」「関ケ原」「糸」など多くの映画製作委員会に参加。朗読劇「島守の塔」企画・演出。追悼特別展「高倉健」を企画・運営し全国10カ所で巡回。趣味は東京にある福岡のお店を食べ歩くこと。

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