「福田村事件」「アンダーカレント」「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」（いずれも2023年）、「ゴールデンカムイ」（24年）など、話題作への出演が続く井浦新がアメリカ映画デビュー・初主演した本作。上昇志向の強い日本人商社マンが、出張先のアメリカ北西部・モンタナ州の牧場でカウボーイ文化に触れて効率一辺倒の働き方を見つめ直していく。監督のマーク・マリオットは、かつて山田洋次監督の弟子入りを志願し、山田組の海外現場（第41作「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」）に参加した経歴の持ち主。モンタナの牧場で研修する日本人会社員について書かれた記事からもヒントを得て本作を企画した。脚本は、Netflixシリーズ「忍びの家　House of Ninjas」で脚本＆監督を務めたデイブ・ボイルと、平成 「ガメラ」シリーズ3部作のヒロインを務め、今はアメリカを拠点に脚本家としても活躍する藤谷文子が共作。藤谷はキャストとしても名を連ねるほか、國村隼やゴヤ・ロブレス、ロビン・ワイガートらが共演する。

手食品商社に勤めるサカイヒデキ（井浦新）は、経営不振のアメリカリカ・モンタナ州の牧場を立て直すため渡米する。しかし、モンタナでは東京の常識は通じず、いつものスーツ姿で壮大な計画をプレゼンするが相手にしてもらえない。トラブル続きのなか、土地の魅力に気づき始めたヒデキはスーツからカウボーイ姿に着替え、自然や動物とともに生きる人々と交流するうち、自身の人生を見つめ直していく。やがて意を決したヒデキは牧場を守るため、新たなプランを提案する。