「徒花-ADABANA-」 クローンが問いかける生きる意味
新次(井浦新)は妻と一人娘の3人で暮らしていたが、重い病にむしばまれ、ある病院で療養するものの終末期を迎えようとしていた。手術を前に、臨床心理士、まほろ(水原希子)の提案で過去の記憶を呼び戻すが、不安はぬぐえない。裕福な人間だけに身代わりとして提供される、「それ」と呼ばれる自分と同じ見た目だが知的なクローンと対面する。 「赤い雪 Red Snow」で注目された甲斐さやかの監督2作目。死を目前にした人の精神のさまよいとクローンという近未来の産物を同居させ、自身が生きてきた道程や生きることとは何かへの思索を促す。クローンの存在を、命や人間存在を考える一つの材料として提示した。人間の怖さやいとおし...