Sydney Pollack
1934年6月30日 生まれ
監督「愛と哀しみの果て」(1985年)「トッツィー」(1982年)「追憶」(1973年)
「シドニー・ポラック」記事件数
「ひとシネマ」の高倉健を次世代に語り継ぐ企画によって、高倉健作品を見るようになった小田実里さん。高校生のときに映画「今日も明日も負け犬。」の脚本を書き、現在は一般社団法人MAKEINU.代表を務めるZ世代の小田さんがコラムを書いた作品は「ザ・ヤクザ」。 いまの知識と感情を飾ることなく文章化できる彼女のコラムには、私には思いつくことのできない解釈が満載で、目からうろこが落ちる思いを味わった部分も多かった。他者が書くものを読む楽しさはここにある。 小田さんは教えてくれる。Z世代が「重たい映画を見たがらない」傾向にあることや、リアルだと感じることは「『クズ男』や『シーシャ』などを題材として人...
関口裕子
小田実里
2023.9.02
重たい映画を見たがらないZ世代もいる中で、私は演者のハッピーな感情が全く浮き彫りにならない映画を見ている。私がこの作品を見ている意義はなんなのだろう、と終始思考を巡らせる。正直、世のZ世代には最後まで見る勇気が出ないような映画だ。「エモ」とは遠くかけ離れているからだ。任俠(にんきょう)映画だからだ。「クズ男」や「シーシャ」などが題材となった人間のリアルを描いたものがZ世代に好まれる一方で、この作品は生死を彷徨(さまよい)いながら生きる人間のリアルな魂が描かれている。リアルというよりリアルすぎる。前回見た映画「ブラック・レイン」の影響で、高倉健の演技を見たいと思った私が選んだ作品は前回に続き、裏...
2023.5.12
リーガルサスペンスとは、ある重大事件に関わった弁護士や検事を主人公にして、法廷の内外で繰り広げられる人間模様を描くスリラー映画のことだ。「トップガン」の海軍パイロット、「ミッション:インポッシブル」シリーズのスーパースパイをはじめ、約40年のキャリアで多彩なキャラクターをこなしてきたトム・クルーズは、1990年代前半に2本のリーガルサスペンスに出演している。ひとつはアーロン・ソーキンの戯曲に基づき、海軍の法務官を演じた「ア・フュー・グッドメン」(92年)。そしてもうひとつは今回紹介する「ザ・ファーム/法律事務所」(93年)だ。 キーワード「すべての敵を出し抜け!」 主人公はハーバード大...
高橋諭治
2023.3.01
アニメーション制作スタジオ・MAPPA初のオリジナル劇場アニメーション作品「アリスとテレスのまぼろし工場」(毎日新聞社など製作委員会)が公開されている。 突然起きた製鉄所の爆発により外との接続が遮断され、時までもが止まってしまった町・見伏が舞台の本作。いつか元に戻ったときのために「変わらないこと」を強要される中で、退屈な毎日を過ごす14歳の菊入正宗と佐上睦実、そして野生の狼(おおかみ)のような謎の少女・五実が恋をして、未来へともがく姿を描いている。 映画を見る前に読んだ、脚本・監督を務めた岡田麿里氏が手掛けた原作小説は、少年少女たちの葛藤を通して「生きること」について...
きどみ
PRワーナーブラザース映画、MAPPA
2023.9.22
名門大学を卒業し、米南部メンフィスの法律事務所に破格の待遇で就職したミッチ。しかし税務を専門とするその事務所には、恐ろしい裏の顔があった……。ジョン・グリシャムのベストセラー小説を豪華キャストで映画化したリーガルサスペンス。 TM ©1993 BY PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.TM, ® ©2011 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.
2本目のアメリカ映画出演作。ロサンジェルスで海運会社を営むタナーの娘が日本滞在中に東野組に誘拐された。組長の東野(岡田英次)タナー間で交わされた武器売買契約をタナーが無視したからだ。タナーは旧友のハリー(ロバート・ミッチャム)に相談した。ハリーは面識のある田中(高倉健)に娘の救出を依頼する。今は堅気ではあるが了解した田中は娘を捜索する。一方、ハリーはかってつき合っていた英子(岸恵子)と再会した。英子は田中の妻だったが、ハリーに受けた恩から二人は兄妹を名乗っていたので。(追悼特別展「高倉健」図録より)