ささべ きよし
1958年1月07日 生まれ
映画監督「半落ち」(2004年)「ツレがうつになりまして。」(2011年)「大綱引の恋」(2020年)
鳶(とび)の跡取り武志(三浦貴大)と韓国人研修医ジヒョン(知英)は、ある事件で出会い互いに好意を寄せ合う。その頃、武志の家では母(石野真子)が定年退職を宣言して家事を放棄、妹(比嘉愛未)や父らが頭を悩ませていた。鹿児島県薩摩川内市で420年続く「川内大綱引」を背景にしたラブストーリーで、佐々部清監督の遺作になった。 「チルソクの夏」「半落ち」「夕凪の街 桜の国」など市井の人々が懸命に生きる姿、男女や夫婦、家族の深い愛を丁寧に分かりやすく描いてきた佐々部監督らしさが十二分に発揮された。職人監督として多くのスタッフ、キャストから慕われた敬意と熱気がスクリーンから伝わってくる。とりわけ、地元に密着...
2021.5.06
原作は、2014年に斎藤緑雨文化賞長編小説賞を受賞した中條ていによる短編連作集「アイミタガイ」。「台風家族」(2019年)の市井昌秀監督が脚本の骨組みを作り、「ツレがうつになりまして。」(11年)の故・佐々部清監督の企画を受け継いだ「彼女が好きなものは」(21年)やドラマ「こっち向いてよ向井くん」などを手がけた草野翔吾監督が一本の映画にした。かけがえのない存在だった親友を失い、立ち止まってしまった主人公・梓を中心に思いがけない出会いが連鎖し、大きな輪になっていく群像劇。人との繋がりが希薄になってしまった現代に、誰の胸にも眠っている〝相身互い(アイミタガイ)〟という助け合いの心を呼び起こす。 ...