くさの しょうご
1984年4月17日 生まれ
映画監督「九月の恋と出会うまで(2019年)「アイミタガイ」(2024年)
「会うべき人は、いつか必ず会えると聞きました」。 ソウルの都心、今はどこにでもあるシネコンの支店に変わっているが、昔ソウル3大単館映画館のひとつだった「ソウルㆍピカデリー」前のカフェでのせりふ。 日本の観客にはNetflixの「キル・ボクスン」、あるいはカンヌ国際映画祭で主演女優賞に輝いた「シークレットㆍサンシャイン」の全道嬿(チョンㆍドヨン)が20代前半の若々しい姿で公衆電話でポケベルのメッセージを残す。テレビドラマ「浪漫ドクターキムㆍサブ」、映画「尚衣院 サンイウォン」の韓石圭(ハンㆍソッキュ)は、彼女の後ろでこのセンテンスが含まれたメッセージを開いていたが、なかなか近づいて声をかける...
洪相鉉
2025.2.28
コンテンツ産業を国家戦略産業に育成し、2027年に世界4大コンテンツ強国に跳躍するという政府の発表。このため、映像コンテンツ産業の規模を27年までに約4兆4000億円以上に拡大し、キラーコンテンツの創出のため、28年までに1100億円以上の戦略ファンドを新設し、エミー賞、アカデミー賞など主要海外授賞式の受賞作を5年間で5本創出すると韓国文化体育観光省が発表した。昨年11月14日、ソウルのモドゥ芸術劇場で発表した映像産業跳躍戦略の内容である。就任後初の政策発表に乗り出したのは大臣の柳仁村(ユ・インチョン)で、筆者の先輩であり恩師でもある。彼とはただこの関係性だけでは説明が足りない縁がある。 ...
2024.11.15
鑑賞のきっかけは「アイミタガイ」 寺尾聰さん演じる妻を殺した警部・梶聡一郎が自首するところから物語は始まる。妻はアルツハイマー病を患っており、彼女に懇願され殺したというのだ。しかし、犯行後自首までの空白の2日間について彼は何も語ろうとしない。日本警察の根幹を揺るがす大事件と世間で騒がれるなか、混乱する警察内部や報道するマスコミ関係者の心情をたどりながら、事件の謎は思わぬ方向へ解き明かされていく……。 2004年公開の作品。もう20年前だ。かなり話題になっていたという事実だけおぼろげに記憶しているが、当時小学生だったこともあり、劇場に足を運ぶことはなく、未鑑賞だった。しかし、公開中の映画「...
今泉マヤ
2024.11.03
2月13日、東京・目黒の目黒パーシモンホールにて行われた第79回毎日映画コンクールの贈呈式。受賞者がそれぞれの喜びや感動を自らの声で伝えました。その模様の写真を日本橋室町のCOREDO室町1B1エスカレーター横にて展示します。監督・俳優部門受賞者が電照パネル・ルーファスにて掲示されます。パネルの中のQRコードを読み込めばひとシネマ内の第79回毎日映画コンクールの記事が読むことができます。期間は3月18日(火)~4月7日(月)。 なお、期間中イベントの模様を「#第79回毎日映画コンクール」を付けてX、Facebook、Instagramにアップすると抽選で 「 TOHOシネマズ日本橋 」 ...
PR三井不動産商業マネジメント
2025.3.10
アイミタガイ、なかなか聞き慣れない言葉だと思う。私も鑑賞するまで意味を知らなかった。漢字にすると「相身互い」。同じ境遇のもの同士が同情し助けあうという意味の言葉だ。因果応報、輪廻(りんね)転生……まったく意味は異なるが、なんとなく類似しているような、仏教的な言葉だと感じた。アイミタガイ、アイミタガイ……唱えてみるとお経のような不思議な響きの言葉だとも思う。 タイトルはさておき。黒木華さん演じるウエディングプランナーの主人公 梓(あずさ)は中村蒼さん演じる交際相手の澄人(すみと)との結婚に踏み切れずにいる。そんななか藤間爽子さん演じる中学時代からの親友の叶海(かなみ)が事故で命を落としてしまう...
2024.10.26
爆風スランプが1985年にリリースし、CMソングに採用されたり多くのアーティストにカバーされるなど、今に至るまで歌い継がれている「大きな玉ねぎの下で」。本作はこの名曲にインスパイアされたラブストーリー。「100回泣くこと」や「ぐるぐるまわるすべり台」の作家で作詞家の中村航がストーリー原案を書き、ドラマ「レンタルなんもしない人 」や映画「アイミタガイ」(2024年)の草野翔吾が監督、「東京リベンジャーズ」シリーズや映画「100回泣くこと」の脚本を手掛けた髙橋泉が脚本を務めている。 丈流(たける・神尾楓珠)と美優(みゆう・桜田ひより)は、 夜はバー、昼はカフェになる「Double」で働いている。...
原作は、2014年に斎藤緑雨文化賞長編小説賞を受賞した中條ていによる短編連作集「アイミタガイ」。「台風家族」(2019年)の市井昌秀監督が脚本の骨組みを作り、「ツレがうつになりまして。」(11年)の故・佐々部清監督の企画を受け継いだ「彼女が好きなものは」(21年)やドラマ「こっち向いてよ向井くん」などを手がけた草野翔吾監督が一本の映画にした。かけがえのない存在だった親友を失い、立ち止まってしまった主人公・梓を中心に思いがけない出会いが連鎖し、大きな輪になっていく群像劇。人との繋がりが希薄になってしまった現代に、誰の胸にも眠っている〝相身互い(アイミタガイ)〟という助け合いの心を呼び起こす。 ...