てらお あきら
1947年5月17日 生まれ
鑑賞のきっかけは「アイミタガイ」 寺尾聰さん演じる妻を殺した警部・梶聡一郎が自首するところから物語は始まる。妻はアルツハイマー病を患っており、彼女に懇願され殺したというのだ。しかし、犯行後自首までの空白の2日間について彼は何も語ろうとしない。日本警察の根幹を揺るがす大事件と世間で騒がれるなか、混乱する警察内部や報道するマスコミ関係者の心情をたどりながら、事件の謎は思わぬ方向へ解き明かされていく……。 2004年公開の作品。もう20年前だ。かなり話題になっていたという事実だけおぼろげに記憶しているが、当時小学生だったこともあり、劇場に足を運ぶことはなく、未鑑賞だった。しかし、公開中の映画「...
今泉マヤ
2024.11.03
福江(吉永小百合)は東京・向島で、夫が残した足袋店を1人で切り盛りしている。一人息子の昭夫(大泉洋)は大企業の人事部長で、会社の人員整理に悩み、妻とも別居中。昭夫の娘で大学生の舞(永野芽郁)が、家出して福江の元に身を寄せた。福江は路上生活者支援のボランティアに精を出し、まとめ役の牧師、荻生(寺尾聰)に恋もしている。昭夫は母親の変わりように大慌て。 吉永が母親を演じる、山田洋次監督の「母もの」3作目。下町の人情を背景に福江の恋模様を描くコメディーだが、それだけではない。山田監督は現代社会に強いまなざしを向けて、企業の非情さや働くことの意義、老いの不安、戦争の傷痕まで織り込んだ。 「男はつらい...
2023.9.08
現役警察官がアルツハイマー病の妻を殺した。自首した警部・梶聡一郎は彼女に懇願され殺したという。しかし、犯行後自首までの空白の2日間について彼は何も語ろうとしない。
刑務所や拘置所に収容されたへの差し入れを代行し、ときには様々な事情から面会に行くことができない人たちに代わって面会室に出向くこともある「差入屋」。金子真司(丸山隆平)は、そんな差入屋を一家で営んでいた。ある日、息子の幼馴染の女の子が殺害される事件が発生する。彼女の死にショックを受けていた一家だったが、犯人の母親が差し入れをしたいと尋ねてくる。差入屋として犯人と向き合うも、怒りが募る金子。そんなとき、毎日のように拘置所を訪ねる女子高生と出会う。彼女は、なぜか自分の母親を殺した男との面会を求めていた。ふたつの事件と向き合ううちに、金子自身の人に言えない過去が露わとなり、家族の絆を揺るがしていく。 ...
原作・池井戸潤×主演・役所広司! 足袋作り百年の老舗が、会社の存続を懸けてランニングシューズの開発に挑む、感動の企業再生ストーリー! ©池井戸潤 ©TBS U-NEXT Paraviコーナーで全話配信中
黒澤明監督自身が見た夢を元にした、八つの物語でつづるオムニバス映画。「日照り雨」「桃畑」「雪あらし」「トンネル」「鴉」「赤富士」「鬼哭」「水車のある村」の8話。
シェイクスピアの「リア王」を黒澤明監督が翻案。戦国武将の一文字秀虎は家督を3人の息子に譲ろうと決意する。秀虎は反対する3男三郎を追放したものの、2人の息子太郎、次郎は跡目を巡って激しく対立。骨肉の争いが始まる。
原作は、永井愛の人気戯曲「こんにちは、母さん」。2001年と2004年に新国立劇場で上演され、2007年にはNHK土曜ドラマにて映像化された名作の映画化。メガホンを執るのは、家族の姿を描き続けてきた山田洋次監督。91歳にして90本目の監督作となる本作では、令和を生きる等身大の親子を心情豊かに描く。主演は、「男はつらいよ 柴又慕情」(1972年)をはじめ、「母べえ」(2008年)、「おとうと」(2010年)、「母と暮せば」(2015年)など約50年間に渡って数々の山田洋次監督作品に出演してきた吉永小百合。映画出演123本目となる本作で、下町に暮らす母・福江を演じる。その息子・昭夫を演じるのは、映...
第二次世界大戦後の1945年、厳冬のシベリア。零下40度の寒気の中、わずかな食料で過酷な労働を課せられ死者が続出する収容所(ラーゲリ)に、その男・山本幡男はいた。「生きる希望を捨ててはいけません。帰国(ダモイ)の日は必ずやって来ます」。絶望する抑留者たちに、山本は訴え続けた。山本は日本にいる妻と4人の子どもと一緒に過ごす日が訪れることを信じ、劣悪な環境にいる仲間を励ました。その行動と信念は、日本人捕虜たちの心を次第に溶かしていく。 終戦から8年後、ようやく山本に妻からのハガキが届く。「あなたの帰りを待っています」。1人で子どもたちを育てている妻を思い、山本は涙を流さずにはいられなかった。...