原作は、2014年に斎藤緑雨文化賞長編小説賞を受賞した中條ていによる短編連作集「アイミタガイ」。「台風家族」(2019年)の市井昌秀監督が脚本の骨組みを作り、「ツレがうつになりまして。」(11年)の故・佐々部清監督の企画を受け継いだ「彼女が好きなものは」(21年)やドラマ「こっち向いてよ向井くん」などを手がけた草野翔吾監督が一本の映画にした。かけがえのない存在だった親友を失い、立ち止まってしまった主人公・梓を中心に思いがけない出会いが連鎖し、大きな輪になっていく群像劇。人との繋がりが希薄になってしまった現代に、誰の胸にも眠っている〝相身互い(アイミタガイ)〟という助け合いの心を呼び起こす。
梓を演じるのは、「小さいおうち」(14年)で第64回ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞し、2021年には「浅田家!」(20年)で3度目の日本アカデミー賞最優秀助演女優賞に輝いた黒木華。亡き親友にメッセージを送り続ける梓の心の機微を細やかに演じる。梓の恋人・澄人 を演じるのは、連続テレビ小説「エール」や、「らんまん」、「沈黙の艦隊」(23年)などに出演し、25年放送のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華之夢噺~」にも出演が決定している中村蒼。そして、梓の親友・叶海を演じるのは、ドラマ「マイファミリー」や連続テレビ小説「ひよっこ」、「ちむどんどん」、「ブギウギ」と次々に朝ドラに出演している藤間爽子。さらに、草笛光子、安藤玉恵、松本利夫、升毅、西田尚美、田口トモロヲ、風吹ジュンら実力派が共演する。
親友の叶海(藤間爽子)を亡くしたウェディングプランナーの梓(黒木華)は、交際相手の澄人(中村蒼)との結婚に踏み出せず、生前の叶海と交わしていたトーク画面に、変わらずメッセージを送り続けていた。同じ頃、叶海の両親の朋子(西田尚美)と優作(田口トモロヲ)は、とある児童養護施設から娘宛てのカードを受け取っていた。そして遺品のスマホには、溜まっていたメッセージの存在を知らせる新たな通知も。一方、金婚式を担当することになった梓は、叔母の紹介でピアノ演奏を頼みに行ったこみち(草笛光子)の家で、中学時代の記憶をふいに思い出す。叶海と2人で聴いたピアノの音色。大事なときに背中を押してくれたのはいつも叶海だった。梓は思わず送る。「叶海がいないと前に進めないよ」。その瞬間、読まれるはずのない送信済みのメッセージに一斉に既読がついて…。
公開日: 2024年10月31日
アイミタガイ
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2024年 /日本 /105分 /G
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公式サイト: https://aimitagai.jp/
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