リ・サンイル / り そうじつ
1974年1月05日 生まれ
監督「流浪の月」(2022年)「ブルーハーツが聴こえる」(2017年)「怒り」(2016年)「許されざる者」(2013年)「悪人」(2010年)「フラガール」 (2006年)
2024年は出演映画が次々と公開され、NHK大河ドラマ「べらぼう 蔦重栄華乃夢噺」の主演も決まり、実績も人気も充実する一方だ。それでも「正体」での受賞は格別だという。というのもこの映画、初主演作として5年ほど前に企画されたが諸事情で流れ、形を変えてようやく実現したのだ。それだけに「うれしいですね。どの作品にも全力を注いでますが、特に思い入れが強いので」と喜ぶのである。 変装しながら逃亡する死刑囚を熱演 受賞の知らせは「べらぼう」の収録中に聞いたという。「重たいシーンで疲れていた時に、マネジャーからとほぼ同時に藤井道人監督からも連絡があって。その時演じていたのは悲しい場面でしたが...
勝田友巳
2025.1.24
李相日監督の映画は、すべてが濃い。「悪人」「怒り」と人間の奥底に渦巻く激情を解剖してきたが、凪良ゆうの小説を映画化した6年ぶりの新作では、「禁断の関係」が成就されるまでを密度と粘度高く描く。剛腕に圧倒されること必至である。 大学生の文(松坂桃李)は、公園で行き場をなくしていた10歳の更紗(さらさ)(広瀬すず)を連れ帰り、しばらく共に暮らした後で誘拐犯として逮捕される。15年後、更紗は婚約者の亮(横浜流星)と暮らしていたが、ある日偶然入ったカフェで文と再会。文への思いを遂げるため、亮を置いて文の隣の部屋に転居してくる。 世間的には幼児性愛者の誘拐犯とその被害者である文と更紗だが、互いをかけが...
2022.5.14
許されざる関係が永遠に至るまで 李相日監督の新作「流浪の月」は、本屋大賞を受賞した凪良ゆうの同名小説が原作だ。同書を読んで「新しいことができるんじゃないか」と感じ、凪良に自ら手紙を書いて映画化にこぎつけた。骨太の作品で知られる李監督は、禁断の関係を描いた物語に何を見いだしたのか。濃密な映像を生み出す粘りの演出の舞台裏を、語ってもらった。 社会からはみ出した側に立つ 「悪人」「許されざる者」「怒り」など、社会の枠組みから外れた人たちの側に立って、その痛みや苦しみを描いてきた。「流浪の月」は誘拐犯と被害者が心を通わせる物語。世間からは認められない2人の道行きという点ではこれまで...
2022.5.12
5年で日本を3000キロ縦断 東北の震災で家族を失ったジャーマンシェパード犬の多聞(たもん)は、離れ離れになった大切な人に会うため5年の歳月をかけて日本を3000キロ縦断する。その途中で出会った人々は多聞と過ごす時間のなかで心が癒やされ人生に希望を見いだしていく。人と人とをつなげながら旅する多聞はどこへ向かっているのか――。 「ラーゲリより愛を込めて」にもクロという犬が 瀬々敬久監督、林民夫脚本と言えば「ラーゲリより愛を込めて」が記憶に新しい。戦後10年、ラーゲリ(収容所)で強制的に働かされた日本人たち。この生活はいつまで続くのか、果たして祖国に帰れる日は来るのか……と希望を見い...
PR東宝
2025.3.10
大学生が少女を部屋に連れ帰り、住まわせた女児誘拐事件から15年後。被害者の更紗(広瀬すず)は、事件を知った上で婚約した恋人の亮(横浜流星)と平穏に暮らしていた。ある時訪れたカフェで、事件の加害者とされた文(松坂桃李)と再会する。文は名字を変えて過去を隠し、恋人もいた。更紗は文と過ごした幸福な時間を思い出し、文への思いを抑えられなくなる。