樹海村
新型コロナウイルス禍で世界全体がホラー映画の中で進行しているような現在、「犬鳴村」「事故物件 恐い間取り」のような少しまがまがしい映画に人々はリアリティーを感じるのかもしれない。「犬鳴村」とほぼ同じスタッフで製作された今作も現代社会の重苦しい空気を漂わせている。 富士の樹海の奥深くに、かつて何者かが暮らす村があり、呪いの箱が封印された。13年後、天沢響(ひびき)(山田杏奈)と鳴(めい)(山口まゆ)の姉妹の前に箱が現れると、周りの人々に次々と悲劇が巻き起こる。 「自然への畏怖(いふ)」というテーマが作品を覆い、清水崇監督は樹海の映像を駆使して不穏な空気を醸し出した。途中で出てくるゾンビたちは...