特選掘り出し!:「みなに幸あれ」 堂々と描く奇怪な出来事
ホラー界の新たな才能発掘を目的とした「第1回日本ホラー映画大賞」で大賞に輝いた下津優太監督の商業映画デビュー作。清水崇が総合プロデュースを務めた。 看護学校に通う若い女性(古川琴音)が久々に田舎の祖父母の家を訪れる。しかし、その家にはえたいの知れない何かの気配が……。 序盤はJホラーお決まりの心霊ものかと思わせるが、その予想は根こそぎ覆される。祖父母や村人たちの不可解な言動が相次ぎ、屋敷内に潜む〝何か〟の正体があらわになると、映画は不条理な領域へまっしぐら。この村は〝幸せ〟を保つための異常な法則に支配されており、そのダークサイドに触れた主人公は違和感を覚える。ところが村人たちから見れば、外...