「フォールガイ」

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2024.8.16

特選掘り出し!:「フォールガイ」 活劇の楽しさ、本気で追求

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

スタントマンが身に覚えのない殺人事件に巻き込まれて命を狙われる一方、元恋人の新人監督とロマンスを再燃させるという筋立ては、いかにもハリウッドのB級アクションコメディーを連想させて、実際展開は予想を裏切らない。しかしこの映画、映画におけるアクションの快感をひたすら追求してみせる。その本気度と、スタントとスタントマンへの愛情がみなぎり、胸躍る快作となった。

大ケガで一度は引退し、恋人の前から姿を消したスタントマン、コルトをライアン・ゴズリング、恋人のジョディにエミリー・ブラントと、一線のスターを配したあたりにも気合が感じられる。物語は全編アクションの連続。ジョディが撮影中のSF映画の一場面として、あるいはコルトを陥れようとする悪者との対決場面として、派手に、スケール大きくたたみかける。飛行中のヘリコプターからの45メートルの大ジャンプとか、大スクリーン映えするものばかり。もちろん実際に跳んだりはねたりするのはゴズリングではなく、スタントマンたち。スターと一体となって映画の見せ場を作る彼らの仕事と、スタントマン出身らしいデビッド・リーチ監督の心意気が伝わる。2時間7分。東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪・TOHOシネマズ梅田ほか。(勝)

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