小国ながら〝映画の王国〟と呼ばれるジョージア。西洋と東洋の交差点に位置し、複雑な歴史のなかで独自の文化を培ってきたジョージは、オタール・イオセリアーニら数々の名匠を輩出してきた。そのジョージア映画を代表する女性監督、ナナ・ジョルジャゼの集大成ともいうべき作品。旧ソ連からの独立の夢が現実のものとなりつつあるジョージアで、生き抜くために〝渡り〟をするジョージア人の姿を蝶に託し、今もジョージア人の心に残るアブハジア戦争の痛みや、ディアスポラ(民族離散)の悲しみを、ジョージア独特の〝陽気な悲劇性〟で描く。
時は1991年、ソ連からの独立の夢が近づくジョージアで、希望に満ちた〝どんちゃん騒ぎ〟で新年を迎える若者たち。ソ連崩壊後、ジョージアは独立を宣言するものの、喜びは新たな戦争ですぐに消えてしまう。それから27年後、画家のコスタは祖父母の代からの家の半地下に暮らし、そこに集まるのは、かつての芸術家仲間たちだ。新年を迎えようとしているある日、コスタの最愛の女性である元バレエダンサーのニナが戻ってきたところに、コスタの絵を買いにきたアメリカの美術コレクターが彼女に一目惚れして結婚を申し込む。ニナもより良い生活を求めて彼についていくことを決心するが、コスタは反対しなかった。海外へ渡ることを夢見る仲間たち。コスタは雪がちらつくトビリシの街で、ひとり新年を迎えようとするが…。
公開日: 2025年01月23日
蝶の渡り
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原題:Forced Migration of Butterflies
2022年 /ジョージア /89分
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公式サイト: https://moviola.jp/butterfly/
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