第76回カンヌ国際映画祭で、坂元裕二が脚本賞を受賞した。１人で小学生の息子、湊を育てる早織は、湊の様子がおかしいことに気付く。問い詰めると、担任の保利から体罰を受けているという。早織が学校に抗議しても、校長はじめ教師や保利は形式的で誠意のない謝罪をするばかり。やがて事件は地元紙に報じられ、大事になっていく。そして台風が近づいたある日、新たな事件が起きる。

「体罰事件」の経緯が、早織、保利、湊と三つの視点から語られる３部構成。それぞれの目に映った「怪物」が描かれ、事件の意外な真相が明らかになる。

「万引き家族」（18年）でカンヌ最高賞パルムドールに輝いた是枝裕和監督と、映画「花束みたいな恋をした」（21年）や、ドラマ「Mother」「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」「カルテット」「大豆田とわ子と三人の元夫」「初恋の悪魔」など多くの脚本を手がけた坂元裕二のコラボレーションが実現。音楽は坂本龍一。

安藤サクラ、永山瑛太、田中裕子ら実力派に加え、黒川想矢と柊木陽太が２人の少年をみずみずしく演じる。その他、高畑充希、角田晃広、中村獅童ら豪華な顔ぶれだ。

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