2022年6月に他界した河村光庸プロデューサーの最後の作品。監督・脚本は、「新聞記者」(2019年)で、日本アカデミー賞最優秀賞3部門含む6冠など多くの映画賞を受賞した藤井道人。継承される負の遺産。学力格差から経済格差へとつながる貧困、強者が弱者を搾取する社会構造の歪みを浮き彫りにしたヒューマンサスペンス。閉鎖的な村社会を舞台に、能の演目「邯鄲(かんたん)」をメタファーとして、この世に生まれ、次の世代へと受け継がれていくものの物語を描いた。
運命に抗う主人公・片山優を演じたのは「流浪の月」(2022年)の横浜流星。藤井監督とは6回目のタッグとなる。優に生きる意味を与え、彼と共に自分の人生を取り戻そうとする中井美咲を、藤井監督の「余命10年」(2022年)にも出演した黒木華が演じた。
のどかな山あいの霞門(かもん)村のゴミ処理場で働く優(横浜流星)は、職場と家を往復するだけの日々。仕事では村長の息子である透(一ノ瀬ワタル)にいびられ、わずかな給料も母親の君枝(西田尚美)がギャンブルで作った借金の返済に消えていく。かつて父親がこの村で起こした事件の汚名を背負って生きてきた優には、人生の選択肢などなかった。ある日、7年ぶりに幼馴染の美咲(黒木華)が東京から帰ってくる。美咲もまた東京での生活に敗れ、村に戻るしかなかったのだ。お互いに傷を抱えた優と美咲は、いつしか惹かれ合っていく。一方、父に見放され、思いを寄せていた美咲をも奪われた透の怒りと悲しみは、優への強い憎しみへと変わっていく。美咲によってやっと手に入れた未来への希望を守るため、優はある決断を迫られる。
©2023「ヴィレッジ」製作委員会
公開日: 2023年04月20日
ヴィレッジ
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2023年 /日本 /120分 /PG12
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公式サイト: https://village-movie.jp/
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