かがわ てるゆき
1965年12月06日 生まれ
映画界に人材を輩出する東京芸大大学院映像研究科。今作は研究室を率いた佐藤雅彦と、教え子の関友太郎、平瀬謙太朗が共同で脚本、監督、編集を手がけている。 エキストラをする記憶喪失の宮松(香川照之)の元に、ある時、知り合いという男が訪ねてくる。という筋立てはさほど重要ではない。宮松の正体とかその心情とか、キャラクターを掘り下げる映画ともちょっと違う。映画表現をさまざまに用いて、観客にどんな影響を与えられるかを測る実験のようである。 冒頭、一人の武士が襲ってきた数人を斬り伏せる。武士が去った後、一人がムクリと起き上がって走り出す。この映画は時代劇かと思いきやその男、物陰で急いで着替え、きっかけを待...
2022.11.18
宮松は端役専門のエキストラ俳優。来る日も来る日も、名もなき登場人物を生真面目に演じ、斬られ、射られ、撃たれ、画面の端に消えていく。真面目に殺され続ける宮松の生活は、派手さはないけれども慎ましく静かな日々。そんな宮松だが、実は彼には過去の記憶がなかった。 ある日、宮松の元へある男が訪ねてくる……。 ©2022「宮松と山下」製作委員会