インタビュー:役所広司 現実の戦争と呼応する幕末の小藩 「峠 最後のサムライ」
鬼神がうなり泣く子が黙る、名優という形容では物足りない役所広司。「峠 最後のサムライ」では、幕末の長岡藩に実在した武士、河井継之助を演じ、時代劇の中で天下国家を朗々と説く。余人なら講釈になりそうな長広舌を、座ったまま弁じて観客の心に響かせる。いかに言葉を伝えたか、俳優業のみならずヒントになりそうだ。 峠 最後のサムライ © 2020「峠 最後のサムライ」製作委員会 後世に向かって生きた侍 河井継之助 「峠 最後のサムライ」は司馬遼太郎の小説が原作で、小泉堯史が脚本、監督を手がけた。「蜩ノ記」(2014年)でも組んでいる役所は、小泉を「侍みたいな人」と例える。黒澤明監督に助監督とし...
勝田友巳
2022.6.14