Anamaria Vartolomei
1999年4月08日 生まれ
「あのこと」出演
「アナマリア・バルトロメイ」記事件数
「あのこと」は60年前のフランスが舞台だが、遠い国の過去の物語ではない。描かれるのは、未来を選ぶ自由を奪われた女性の孤独な闘いだ。オードレイ・ディバン監督は、人工中絶を懸命に求める主人公に、観客が〝なりきる〟ことを狙ったという。ベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した。 ノーベル賞作家の小説を映画化 原作はノーベル文学賞作家、アニー・エルノーの小説。ディバン監督が読んだのは、自身が中絶した後、「考えを深めるため」だった。「小説はスリラーのようだったし、主人公が自由を求めているすがたにひかれた」という。その後しばらくして、「違法中絶の実態を知らないまま議論に加わっていた」と気づき...
勝田友巳
2022.12.05
言語や文化を超えて登場人物と一体感を味わえるのが、映画の魅力の一つ。未知のことを疑似体験し、他者を理解する助けとなる。しかしこの映画、かなりしんどい。堕胎という、産まない性には決して体験できない、産む性であってもおそらく経験したくないことに肉薄する。主人公の苦しみを自分事として感じることで、賛否の分かれる問題に新たな視点が開くだろう。 1960年代、人工妊娠中絶が違法だったフランスで、女子大生のアンヌの妊娠が発覚する。成績優秀、将来を期待されるアンヌは、子どもが生まれたら大学を続けられず、夢も未来も失うと焦り、中絶の方法を求めて奔走する。 アンヌにはあけすけにセックスを語る友人がいるし、か...
2022.12.02
フランスでは長い間、人工妊娠中絶が法律で禁じられてきました。それが合法となったのは1975年のことに過ぎません。今回ご紹介する「あのこと」は、まだ堕胎が違法だった63年のフランスを舞台として、妊娠した学生が中絶を模索するという作品です。2021年にベネチア国際映画祭の最高賞、金獅子賞を受賞しました。 1963年、中絶非合法のフランスで妊娠した女学生 アンヌは、男の子の関心を引くことばかりを考えているようなクラスメートと違って、勉強ひと筋の大学生です。文学の研究を進めて将来は先生になることを目指していて、その学力は先生にも一目置かれている存在です。両親は上流階級の出身ではありま...
藤原帰一
2022.12.01
欧州連合(EU)各国の最新の話題作、秀作を集めた「EUフィルムデーズ2023」が6月2日、東京・京橋の国立映画アーカイブで開幕する。日本未公開の作品を中心に、なかなか見ることができない国の最新作もそろえたヨーロッパ映画の大規模な特集上映だ。今年は開催20周年の節目となり、昨年に続きEU加盟全27カ国が参加。東京・京都・広島・福岡の4会場を巡回する。今回は昨年加盟候補国となったウクライナの「ルクセンブルク、ルクセンブルク」など2作品を特別上映するのも目玉の一つ。EU加盟前の国の作品を上映するのは極めて珍しい。 世界中の人たちに共通するテーマ 今回のコンセプトは「映画でつながる、ヨーロ...
鈴木隆
PR パンドラ
2023.5.31
1960年代、法律で中絶が禁止されていたフランス。大学生のアンヌは予期せぬ妊娠をするが、学位と未来のために今は産めない。選択肢は一つ。 アンヌの毎日は輝いていた。貧しい労働者階級に生まれたが、飛びぬけた知性と努力で大学に進学し、未来を約束する学位にも手が届こうとしていた。ところが、大切な試験を前に妊娠が発覚し、狼狽する。タイムリミットが迫る中、自らが願う未来をつかむために、たった1人で戦う12週間。 公開:2022年12月2日 配給:ギャガ © 2021 RECTANGLE PRODUCTIONS - FRANCE 3 CINÉMA - WILD BUNCH - SRAB FILMS...