「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」より TM & © 1981,2023 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」より TM & © 1981,2023 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

2023.5.03

「インディ・ジョーンズ」シリーズ4作品を最新作公開前にまとめて解説!:インディ・ジョーンズ特集

インディ・ジョーンズが帰ってくる! 15年ぶりの新作「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」が6月30日に公開される。ハリソン・フォードも健在で、これが〝最後の〟大冒険。第1作「レイダース 失われた聖櫃(アーク)」の公開から42年、インディ・ジョーンズの活躍を、ひとシネマがまるっと解説します。

金子裕子

金子裕子

ハリソン・フォード主演の大ヒットシリーズ「インディ・ジョーンズ」の最新作「運命のダイヤル」が公開間近。〝最後にして、最大の冒険〟と銘打たれるだけに期待は高まるばかり。そこで過去4作をいっきにおさらい。


TM & © 1981,2023 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

シリーズの原点はここに。「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」

ジョージ・ルーカス&フィリップ・カウフマン原案、スティーブン・スピルバーグが監督。その黄金トリオが生み出したシリーズ第1作「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」(1981年)は、「スター・ウォーズ」シリーズでワイルドなタフガイ=ハン・ソロを演じてスターの座についた39歳のハリソン・フォードが、その魅力を進化させて知性とワイルドさをミックス。<渋めのアクションスター>という新境地を開拓した一作でもある。
 
演じるのは名門大学で教べんをとる考古学者インディアナ・ジョーンズ。が、その一方で愛用のハットと革のむちを手にして世界中の遺跡を探検する冒険家であり、秘宝を探すトレジャーハンターでもある設定。つまり毎作、インディが探す遺跡や秘宝にまつわる神秘的な謎解きと、お宝を狙う邪悪な敵との壮大な戦いが見どころポイント。そしてもう一つ忘れてならないのが冒険の旅の相棒と〝恋多き男〟でもあるインディのロマンスのお相手。それぞれのコンビネーションが絶妙だ。
 
「失われたアーク《聖櫃》」の舞台は1936年。世界征服を狙うアドルフ・ヒトラーは、持つものに巨大な超能力を与えるという伝説の秘宝<黄金の聖櫃(せいひつ)>を探していた。それを知ったアメリカ政府はインディに聖櫃奪還を依頼するが、手がかりとなるペンダントは恩師の娘にして元恋人マリオン(カレン・アレン)が持っていた。インディはヒマラヤで彼女と再会し、2人は聖櫃が埋蔵されているカイロへと向かうのだが。
 
聖櫃に仕掛けられた危険なトラップ(毒グモ、毒蛇、サソリなどの大群は後のシリーズでも必ず登場)に驚愕(きょうがく)しつつ、マリオンを人質にしたナチスとの攻防戦もスリリングに展開。その斬新にして大スケールの映像はアカデミー賞の美術・視覚効果賞を受賞し、高揚感にあふれたインディのテーマ曲を作曲したジョン・ウィリアムズは作曲賞を獲得している。
 

TM & © 1984,2023 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

2作目の冒険の相棒はあのオスカー俳優! 「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」

第2作「魔宮の伝説」(84年)は、第1作の前日譚(たん)。1935年からスタート。上海のナイトクラブで犯罪王とのトラブルに巻き込まれたインディは、美人歌手ウィリー(ケイト・キャプショー)と、中国人少年ショート(キー・ホイ・クァン)と出会う。やがて中国から脱出途中に不時着したインドの山奥で伝説の秘宝<サンカラ・ストーン>を求める邪教集団の陰謀を知ったが。
 
今回のロマンスのお相手はウィリーだが、冒険の相棒として大活躍するのはショート。呪いのかかった血を飲まされて生けにえになる寸前のインディを助け、機転を利かせて爆走するトロッコを操って要塞(ようさい)のような洞窟から脱出できたのもショートのお手柄。
 
演じるキー・ホイは、「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(2022年)でアカデミー賞助演男優賞に輝き、俳優としてカムバックしたのはご存じの通り。そのキャリアデビューが本作だったのだけど、いやー、ちっちゃくて、可愛くて、芸達者! ハリソンとのボケ・ツッコミの間合いも抜群で、笑いを誘ってくれた。余談だが、ウィリーを演じたケイト・キャプショーは、本作での出会いをきっかけに91年にスピルバーグと結婚している。
 

TM & © 1989,2023 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

3作目は父役でショーン・コネリーも出演! 「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」

第3作「最後の聖戦」(89年)は、インディの少年時代をリバー・フェニックス、父ヘンリー・ジョーンズをショーン・コネリーが演じるという超・豪華版。
 
ことの始まりは、1912年のユタ州。少年インディが悪党から盗品の<宝の十字架>を奪い返したことだ。26年後=38年、同じ十字架が原因でインディは命を狙われる。さらに、キリスト教の秘宝〝聖杯〟の発掘最中に、責任者である父ヘンリーが行方不明になったと知り、父が姿を消したベネチアへと向かうが、ヒトラーの命を受けたナチスは聖杯発掘を開始していた。
 
見どころはインディ親子の繰り返される逃亡と脱出劇。とりわけ、生粋の学者である父を演じたショーン・コネリーの飄々(ひょうひょう)としたたたずまいが絶品。深みとユーモアを醸し出している。そんな父に反発する中年のインディが、思わず〝息子の顔〟で「ジュニアと呼ばないで」と反発するのも愉快。リバーが演じた少年時代では、トレードマークのハットと革むちの由来も明らかになるから、お見逃しなく。
 

TM & © 2008,2023 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

19年ぶりの「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」ではケイト・ブランシェットと共演!

 前作から19年ぶりに公開された第4作「クリスタル・スカルの王国」(08年)の舞台は、1957年。宇宙の神秘を解き明かす力を秘めた〝クリスタル・スカル〟を探すソ連兵の一団と遭遇。兵を率いる女諜報(ちょうほう)員スパルコ(オスカー女優ケイト・ブランシェットの若き日!)はインディに探索を強要するが、スキを見計らって脱出。そんなインディの前に青年マットが現れた。彼によると、彼の母親がペルーから助けを求めているというのだが。
 
ジャングルのカーチェースやマットがかっ飛ばすハーレーダビッドソンのバイクチェースは見ものだが、これまでのレトロな冒険要素は薄めでSF色が濃いめ。注目は、〝スピルバーグの秘蔵っ子〟と称されたシャイア・ラブーフが演じるマットとインディの浅からぬ因縁。第1作の恋人マリオンも久しぶりに登場して変わらぬ女傑ぶりを披露している。インディとの愛再燃にニンマリしつつ、第5作を予感させる粋なオチにも納得です!
 

 


「インディ・ジョーンズ レイダース 失われたアーク《聖櫃》」
4K Ultra HD+ブルーレイ:6589円(税込み) 2023年6月7日発売
Blu-ray:2075円(税込み)
DVD:1572円(税込み)
NBCユニバーサル・エンターテイメント
※2023年4月現在の情報です。
TM & © 1981,2023 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
 
 


「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」
4K Ultra HD+ブルーレイ:6589円(税込み) 2023年6月7日発売
Blu-ray:2075円(税込み)
DVD:1572円(税込み)
NBCユニバーサル・エンターテイメント
※2023年4月現在の情報です。
TM & © 1984,2023 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
 



「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」
4K Ultra HD+ブルーレイ:6589円(税込み) 2023年6月7日発売
Blu-ray:2075円(税込み)
DVD:1572円(税込み)
NBCユニバーサル・エンターテイメント
※2023年4月現在の情報です。
TM & © 1989,2023 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
 


「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」
4K Ultra HD+ブルーレイ:6589円(税込み) 2023年6月7日発売
Blu-ray:2075円(税込み)
DVD:1572円(税込み)
NBCユニバーサル・エンターテイメント
※2023年4月現在の情報です。
TM & © 2008,2023 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

関連記事

ライター
金子裕子

金子裕子

かねこ ゆうこ 映画ライター 映画ペンクラブ会員
 「週刊平凡」「HANAKO」(ともにマガジンハウス刊)などでキャリアをスタートさせ「CREA」(文藝春秋社)などの女性誌を始め、映画専門誌などで映画紹介、俳優・監督インタビューなどを執筆。現在「SWEET」宝島社)、「DUET」(ホーム社)、雑誌&Web「チャンネルガイド」(日宣)、「毎日が発見」(KADOKAWA)、「Stereo Sound ONLINE映画スターに恋して」などでレギュラー執筆。共著として「KEEP ON DREAMING 戸田奈津子」「ときめくフレーズ、きらめくシネマ」(ともに双葉社刊)

この記事の写真を見る

  • 「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」より TM & © 1981,2023 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
さらに写真を見る(合計1枚)