「ジョン・ウィック:コンセクエンス」より  Ⓡ, TM & © 2023 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

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2023.9.20

どうやって撮った?なアクションシーン連発! 人気シリーズ最新作「ジョン・ウィック:コンセクエンス」

最新主演作「ジョン・ウィック:コンセクエンス」が9月22日(金)に公開されるキアヌ・リーブス。来日プロモーションはかなわなくなったものの、公開を前に「ジョン・ウィック」シリーズの紹介、俳優としてのキャリアに人となりなど、全方位的にキアヌの魅力に迫ります。

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2014年に始動した映画「ジョン・ウィック」は、「マトリックス」と共にキアヌ・リーブスの代表的シリーズとなった。17年には「ジョン・ウィック:チャプター2」、19年には「ジョン・ウィック:パラベラム」、そして第4作となる「ジョン・ウィック:コンセクエンス」が9月22日に日本公開を迎える。
 
なお、「ジョン・ウィック」はユニバース企画が進行中。前日譚(たん)ドラマ「ザ・コンチネンタル:ジョン・ウィックの世界から」が9月22日からPrime Videoで配信開始。「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」のエージェント役が記憶に新しいアナ・デ・アルマスが主演を務めるスピンオフ「バレリーナ(原題)」も控えている。本家「ジョン・ウィック」第5作も開発中で、まだまだ人気にかげりが見えそうな気配はない。
 
ではなぜ、ここまで「ジョン・ウィック」シリーズが支持されるのか?〝殺し厳禁〟のホテルなど「殺し屋業界」をユニークに描いた設定、ネオンカラーが特徴的なスタイリッシュな世界観はもちろん、「マトリックス」のスタントを務めたチャド・スタエルスキ監督が生み出す独創的なアクションとキアヌ・リーブスが体現する伝説の殺し屋ジョン・ウィックの合わせ技が魅力的だからに他ならない。
 
本稿ではその部分をひもときつつ、「ジョン・ウィック:コンセクエンス」でのさらなる進化をみていきたい。
 
(以下、本編の内容に一部触れています)
 


作品ごとの戦闘シーンが注目を集め、ジョン・ウィックのキャラクター造形にもつながる

 「ジョン・ウィック」第1作公開時に話題を集めたのが、「ガンフー」という戦闘スタイル。ガン+カンフーの造語で、武術と銃さばきをミックスしたものだ。遠距離から狙撃するだけではなく、拳法や柔術等を用いた近接戦闘に発砲が組み込まれている。
 
「ジョン・ウィック:チャプター2」でのローマ遺跡内での戦闘シーンがその好例で、確実に仕留めるために近距離で頭を狙う(できれば2度撃ち)のは本シリーズのお家芸。大阪が舞台のひとつである「ジョン・ウィック:コンセクエンス」でも、ホテル内での戦闘シーン等で確認できる(撃ち尽くした銃を敵にぶつけて倒す〝合理的〟な戦闘シーンも!)。
 
ガンアクションの部分で興味深いのは、最初から「何発かは食らう」前提でジョン・ウィックが行動していること。敵の攻撃が絶対に当たらないといったような〝主人公補正〟を薄め、「ダメージをどう軽減するか」といった思考で防弾チョッキならぬ防弾スーツを特注したり(ここに本作の美学がある)、敵を盾にしたり建物の陰に隠れたりとジョン・ウィックの行動が決定されていく。
 
これは彼のキャラクター造形にも一役買っており、「引退した伝説の殺し屋(全盛期ほどは動けない)」という点に説得力をもたらしている。「ジョン・ウィック:パラベラム」の図書館のシーンでは大柄な殺し屋にナイフを刺され本棚に何度も頭を打ち付けられと苦戦を強いられるし、「ジョン・ウィック:コンセクエンス」でも敵に倒されてしまい建物の上階から1階に落下したり、坂を転がっていく〝222段もの階段落ち〟のシーンが用意されている。
 

ブランクを抱える、かつて最強だった殺し屋が自由を取り戻そうとする物語

 かつて最強だったが、いまはそうではないブランクを抱えた殺し屋が、自由を取り戻そうともがく物語。「ジョン・ウィック」シリーズは基本的にこのストーリーで進行していき、ジョン・ウィックは懸賞金目当ての殺し屋に追われるハメになる。無双状態ではなく毎度地面にはいつくばり、辛くも退ける展開が続いていくが、そこで魅力が半減しないのはキアヌ・リーブスが演じているが故だろう。
 
「ジョン・ウィック:コンセクエンス」では指定時間までに目的地にたどり着かなければならないタイムアタックが強いられるが、ジョン・ウィックが連戦でボロボロになりながらギリギリのところで突破していくさまを見ていると、自然と応援したい気持ちが湧いてくるのではないか。
 
寡黙で無愛想、亡くなった妻一筋、愛犬家(最新作でも小粋な犬ネタが登場!)といった特徴しかり、キアヌ・リーブス=ジョン・ウィックの愛され具合が本シリーズをここまで導いてきたともいえる。
 
「ジョン・ウィック:コンセクエンス」では真田広之(刀使い)やドニー・イェン(盲目の殺し屋)といった豪華スター演じる〝旧友〟たちとの共闘×対決も描かれ、ますます眼福な内容になった。
 

「コンセクエンス」はシリーズの集大成。今後はスピンオフやユニバース企画が

ただ、全盛期ほどではないといってもジョン・ウィックが強くないかといえば決してそんなことはなく、総合的な戦闘力はやはりずぬけている。俊敏性が減退しているぶん(それでも十二分にキレッキレだが)経験値であったりここぞという局面で思い切りの良さを発揮したり、冷静な判断力で打破していく(様子をうかがう敵のがら空きになった足元をまず撃ち、ひるんだ隙=すき=に頭を撃って仕留める戦闘などがまさにそう)点は実に痛快。
 
また、あらゆる武器に精通しているのも大きな強みで、「ジョン・ウィック:コンセクエンス」では、敵から奪ったヌンチャクやショットガンをすぐさま使いこなし、格の違いを見せつける(キアヌ・リーブスは12週間に及ぶトレーニング、9カ月間ものドライビングトレーニングをこなしたそう)。
 
なお、ショットガンのシーンは撃たれた敵が燃え上がる様子を縦横無尽にかけ巡るカメラで収めており、凱旋(がいせん)門では行きかう車を縫ってのバトルが展開(敵を走行中の車にぶつける驚きのシーンなども収められている)。
 
大阪のホテルでは弓矢・手裏剣・日本刀・ヌンチャクといった多様な武器が入り乱れる乱戦が勃発。ニューヨーク、ベルリン、パリ、大阪を舞台にした本作では「どうやって撮ったんだ!?」と思わせるようなシーンがたたみかけ、映像的にも進化を感じさせる。
 
「ジョン・ウィック:コンセクエンス」の本編は169分と「ほぼ3時間」であることが話題を呼んだが、飽きさせないどころか「ここまで詰め込んで大丈夫!?」とこちらが心配になるような出血サービスぶり。
 
アメリカのレビューサイト「Rotten Tomatoes」では94%の高評価を維持し続けているが(2023年9月6日現在)、それも納得だ。シリーズの集大成であり、アクション映画のさらなる可能性を感じさせる開拓者として、日本でも多くの観客の胸を熱くさせることだろう。
 
「ジョン・ウィック:コンセクエンス」は9月22日金曜全国公開

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ライター
SYO

SYO

1987年福井県生まれ。東京学芸大学にて映像・演劇表現を学んだのち、映画雑誌の編集プロダクション、映画WEBメディアでの勤務を経て2020年に独立。 映画・アニメ、ドラマを中心に、小説や漫画、音楽などエンタメ系全般のインタビュー、レビュー、コラム等を各メディアにて執筆。トークイベント、映画情報番組への出演も行う。

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