第二次世界大戦中の最後の官選沖縄知事・島田叡、警察部長・荒井退造を主人公とした「島守の塔」(毎日新聞社など製作委員会)が公開される(シネスイッチ銀座公開中、8月5日より栃木、兵庫、沖縄、他全国順次公開)。終戦から77年、沖縄返還から50年。日本の戦争体験者が減りつつある一方で、ウクライナでの戦争は毎日のように報じられている。島田が残した「生きろ」のメッセージは、今どう受け止められるのか。「島守の塔」を通して、ひとシネマ流に戦争を考える。
2024.11.17
平和教育や沖縄修学旅行の事前学習など上映多数「島守の塔」上映権付 Blu-rayまたはDVDセットの予約販売を開始
映画「島守の塔」製作委員会(毎日新聞社など)は、2025年6月に発売予定の「上映権付 映画『島守の塔』 Blu-rayまたはDVD セット」の予約販売を開始した。今回のセットは、上映権(※)のついた映画「島守の塔」Blu-rayまたはDVDに加え、作品の撮影風景や他では見られないキャストの映像やインタビューを収録したメーキングドキュメンタリーのBlu-rayまたはDVD、公式パンフレットが付いたオリジナルセットを5万5000円(税込み)で販売する。
※上映権付きBlu-ray&DVDとは、企業、図書館、学校などが、自己の施設などにおいて行う、営利を目的としない無償上映会用のBlu-ray&DVDとしてご利用できるもの。
22年7月22日から東京・シネスイッチ銀座を皮切りに全国で公開された「島守の塔」。「CINEMAランキング通信」ミニシアターランキング調査(小規模公開作品週末観客動員数、興行通信社)で9週続けてトップ5にランクインした。
県民の4人に1人、約20万人が犠牲となった日本国内最大の地上戦「沖縄戦」で命を懸けて「命(ぬち)どぅ宝、生き抜け!」と叫び続けた県知事・島田叡(萩原聖人)と警察部長・荒井退蔵(村上淳)、その命の重みを受け継ぎ「沖縄戦」を生き抜いた沖縄県民のそれぞれの苦悩と生きることの奮闘を描いた。
出演の吉岡里帆と香川京子は素晴らしい映画づくりに貢献した者に贈られる「第45回(22年)山路ふみ子映画賞」女優賞、功労賞をそれぞれ受賞。吉岡は他に「第44回ヨコハマ映画祭」主演女優賞、「第32回日本映画批評家大賞」では助演女優賞を受賞した。
劇場上映が終了した今も、主に平和教育や沖縄修学旅行の事前学習など各地でホールや学校上映が行われている。
ひとシネマのライターでNHKドラマ「パーセント」に出演した和合由依も中学生の時、映画を見て沖縄に修学旅行に行った体験をつづっている。その中で「ホームビジット体験でお世話になったおじさんとおばさんがこのように言っていました。『戦争はやってもなんの意味もない』。この〝 一言〟が私の胸を打ちました。二人が少し下に目線を落とし、涙ぐんだ瞳をしながら私たちにその言葉を発しました。沖縄の海、『美(ちゅ)ら海』の〝美ら〟は、『美しい』という意味です。この美しい沖縄県の過去の姿と映画「島守の塔」を忘れずに、生きていきたいです」としめくくっている。
「島守の塔」を見て考える沖縄戦 和合由依研修旅行で沖縄県平和祈念資料館をたずねる - ひとシネマ
「命の尊さ」や「平和の大切さ」を次世代に継承する映画の一本と言える。
・映画:「島守の塔」製作委員会戦後80年記念事業「上映権付 映画『島守の塔』 Blu-rayまたはDVD セット」
・作品Blu-rayまたはDVD、メーキングドキュメンタリーBlu-rayまたはDVD、公式パンフレット
・価 格 5万5000円(税込み)
・発売日 2025年6月予定(予約販売期間 2025年4月30日まで)
・予約はこちらから
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