むらかみ じゅん
1973年7月22日 生まれ
「島守の塔」(2022年)「とんび」(2021年)「夕方のおともだち」(2020年)
今風に言えば「不適切」、いや「放送禁止」レベルのドラマかも――。Netflixで独占配信中の「極悪女王」(全5話)のことだ。1980年代、ブームに沸く女子プロレス界の〝最恐ヒール〟として君臨したダンプ松本(ゆりやんレトリィバァ)が主人公の物語。そのリングでの極悪ぶりも、作中でリアルに再現する……のだが、その再現具合がとんでもない。ダンプは88年に引退。現役時代の記憶はほとんどない40代の記者が、今作を通じて知ったダンプの「真実」を紹介する(以下、本編の内容に触れています)。 ダンプ松本の成功物語にとどまらず 「極悪女王」のあらすじはこうだ。主人公の松本香(かおる)は内職で家計を...
屋代尚則
2024.9.19
海まで続いているように見えるメイン園路。そこから見た景色は、雲ひとつない青空と刻銘碑と海。メイン園路を歩く私は静かな気持ちになっていました。 沖縄戦によって亡くなった命がこんなにもあるのだ 6月27日火曜日。学校の研修旅行で沖縄県に行きました。ここは大規模な地上戦が行われた場所。平和祈念公園を訪れた際、私の頭の中に、昨年見た映画「島守の塔」(毎日新聞社など製作委員会)が現れました。映画のシーンにも出てくる「平和祈念公園」。そこには、刻銘碑「平和の礎」がありました。今まで私はこんなにもたくさんの人の名前が彫られている刻銘碑を見たことがありません。沖縄戦によって亡くなった命がこんなにもあ...
和合由依
2023.8.14
2022年7月、東京・銀座シネスイッチで上映後、全国に拡大公開し全国36都道府県、60館で上映した「島守の塔」(毎日新聞社など製作委員会)は現在、配信のほか、全国でホール上映が行われています。 戦争の悲惨さを後世に伝えるため、ひとシネマでもホール上映の募集を行っています。(詳細は文末) 主人公・島田叡の故郷である兵庫県・神戸市立西神中学校では沖縄への修学旅行の前に映画鑑賞。担当の藤原智代先生にリポートを送ってもらいました。 沖縄への修学旅行は教師生活で6回目になります。島田叡氏の存在を知ったのは、恥ずかしながら4回目、今から10年ほど前のことになります。同じ神戸出身の人物としてぜひ取り上げ...
ひとシネマ編集部
2023.6.23
今夏、全国で公開されロングランヒットとなった話題作、 映画「島守の塔」(毎日新聞社など製作委員会)のレンタル配信・デジタルセルの販売が 12 月 14 日(水)より開始されます。 出演の香川京子が、第 44 回山路ふみ子映画功労賞、 同じく出演の吉岡里帆が第 45 回山路ふみ子映画賞を 受賞した本作を、配信でもお楽しみください! レンタル配信開始日 12 月 14 日(水) デジタルセル開始日 12 月 14 日(水) 配信プラットフォーム ABEMA、dTV、DMM TV、Google play、GYAO!ストア、Hulu ストア、iTunes、 J:COM オンデマンド、Para...
2022.12.12
全国で順次公開中の「島守の塔」(毎日新聞社など製作委員会)が本日、山梨、奈良にて公開されます。 先週末のミニシアターランキング(興行通信社調べ)では公開7週目にして3位をキープ。 また、栃木県では主演の萩原聖人さんによる大ヒット舞台あいさつが行われました。 当地は萩原さん演じる最後の官選沖縄県知事・島田叡とともに住民保護を行ったもう一人の主人公・荒井退造の地元であり、多くの場面を撮影したロケ地。 栃木での1カ月の公開を迎え、観客に感謝の声を伝えました。 「大ヒットするような作品ではないが、長くたくさんのひとに見てもらいたい作品だと思う」と萩原さんは満員のお客さんに呼びかけました。 ...
2022.9.08
「このような美しいところで、あんなに多くの人々が自分の国のためにと信じて命を捨てたとは。沖縄戦がもう少し早く終わっていたら、彼らも救われたのかな」 「それは分からないね。しかも歴史において仮定は何の意味もないよ」 「・・・・・・そうだね。重要なのは、このような悲劇を繰り返してはならないということだ」 J。ニューヨーク時代の幼なじみである彼は、大学を卒業後アメリカ海兵隊将校として服務中だ。一緒に米須海岸(通称「スーサイド」)に行った。海軍士官学校を出た彼の祖父は1941年12月7日、真珠湾にいた。 Jとホテルに向かいながら、(飛躍しすぎた話かもしれないが) 悲劇は明治維新で国民国家が成立...
洪相鉉
2022.8.15
現在、東京・シネスイッチ銀座で公開中の「島守の塔」が明日8月5日(金)、ゆかりのある栃木、兵庫、沖縄の各県で公開されます。 日本映画史でもまれなこと この映画は戦中の沖縄県警察部長・荒井退造のふるさと栃木県の下野新聞社が起案し、その呼びかけに最後の官選沖縄県知事・島田叡のふるさと兵庫県・神戸新聞社、物語の舞台である沖縄タイムス社・琉球新報社の地方紙4社が賛同して映画製作の母体を発足させました。 柏田道夫さんの脚本をもとに、4社はそれぞれの立場で意見を交わし、監督の五十嵐匠さんが手を加え改稿を重ねていきました。 大和と沖縄がともに練りに練った脚本となりました。 これは日本映画史でもまれな...
宮脇祐介
2022.8.03
沖縄戦を描いた映画「島守の塔」の公開記念舞台あいさつが7月23日、東京・シネスイッチ銀座で行われ、出演した萩原聖人、村上淳、香川京子と五十嵐匠監督が登壇した。 コロナ禍で撮影中断1年8カ月 映画は、太平洋戦争末期に国内で唯一の地上戦となった沖縄で、「死ね」と迫る国や軍に対し、県民に「生きろ」と命の尊さを叫んだ島田叡知事と荒井退造警察部長の2人の官僚と、知事付となった軍国少女、凜ら戦争に翻弄(ほんろう)される県民の姿を描く。新型コロナウイルスの影響で1年8カ月の中断を経て完成した。 島田役の萩原は、開口一番「暑い中、コロナ(の感染状況)が大変な中、この作品を選んでいただいて心から感謝し...
鈴木隆
2022.7.25
戦争は何もかも壊した 戦争ってなんで起こるの? どうやったらそうなるの? 沖縄戦、平和で幸せな日常が壊れました。壊れたのは街だけではない。沖縄の人々の心や、感情。もう、何もかもが壊れたのです。〝何もかも〟です。 これは、寂しいのか。怖いのか。心配なのか 時は第二次世界大戦。沖縄県民を守ろうと努力した2人の内務官僚がいました。1人は、官選の沖縄県知事の島田叡。もう1人は警察部長の荒井退造。 「県民の命を守ることこそが私たちの使命である」と2人は決意し、苦戦しながらも、県民の命を第一に考えて行動。空爆や銃の音が鳴り響く中、県民と共に逃げていきます。 2人が突き進んでい...
2022.7.23
本日よりシネスイッチ銀座で公開の映画「島守の塔」。 沖縄県民含め約20万人が犠牲となった「沖縄戦」において、一人でも多くの県民の命を助けようとした萩原聖人演じる島田叡県知事が、県民に禁止されていた芝居や酒、たばこを許したことに対し、不満を露にする吉岡里帆演じる比嘉凜とのやり取りを収めた本編映像が解禁された。 当時軍国教育を受け、日本が勝つと信じて疑わない凛に対し、島田は県民へ課した飛行場建設や陣地構築、食料増産に感謝しつつ、それに報いるものが「敵の上陸戦やったり、集団玉砕かもしれん」と吐露し、思わず下を向いてしまう凜に「こんな時や、人間ちょっとくらい楽しみがあったってええんとちゃうか」...
2022.7.22
第二次世界大戦は、これまで無数の映画の題材となってきたが、ほとんどは市井の人々か、戦闘に参加した将兵の視点で描かれてきた。本作は、沖縄県知事として赴任した島田叡(あきら)と県警察部長の荒井退造が主人公。沖縄戦の中で葛藤し、県民の命を守ろうとした2人の官僚を描く。 戦況が悪化する1945年1月、島田(萩原聖人)は、死を覚悟して沖縄に赴任した。連合国軍の上陸を前に、荒井(村上淳)と共に県民の生活を守り、戦闘に巻き込まない方策を探ろうとする。 しかし島田は、軍司令部の命令と、県民を守るという使命感との間で苦闘する。県民の食糧確保に奔走し、息抜きを求める庶民に理解を示す一方、少年たちを鉄血勤皇隊と...
映画「島守の塔」には沖縄戦が描かれているものの、主人公は本土出身の2人の内務官僚だ。原作を読んだ五十嵐匠監督は「本土の人が共感できる」と考えたという。兵庫出身の島田叡(萩原聖人)、栃木出身の荒井退造(村上淳)、そして沖縄で生まれ育った架空の比嘉凜(吉岡里帆)。この3人による「トライアングル」の人間関係を映画の核とした。 「僕は青森出身だけど、僕にも作れると思いました」と五十嵐監督。島田に沖縄県知事の辞令が出たとき、神戸の家で妻が断るよう懇願し、娘が泣きながら抱きつく場面がある。「当時、沖縄に行くのは死にに行くようなものでしたから、パパが行くのを必死で止めようとする。そういうことには、感情が入り...
高瀬浩平
2022.7.21
1980年代にカリスマ的人気で女子プロレス旋風を巻き起こしたダンプ松本の知られざる物語を描く半自伝ドラマ。 企画・脚本・プロデュースに鈴木おさむ、監督は白石和彌。 80年代、男女の不平等や女性蔑視が問題視されずに当たり前だった時代の日本。 そんな時代と格闘し、日本中を熱狂させ空前のブームを巻き起こしたのは女子プロレスだった。 正統派プロレスラーとしての成功にあこがれながらもクビ寸前だったダンプ松本(ゆりやんレトリィバァ)が悪役に転身し、クラッシュギャルズとして日本中のスターへかけ上がる長与千種(唐田えりか)、ライオネス飛鳥(剛力彩芽)ら仲間たちとの友情と戦い、さまざまな代償を抱えながら日本史...
監督・脚本は、井筒和幸監督作品を中心に、岩井俊二監督・武正晴監督・廣木隆一監督作品等での助監督を務めてきた齊藤勇起。完全オリジナルの脚本の本作が初監督作品となる。 13歳の少年、正樹が殺さた。死体は町の中心にある橋の下に無残に捨てられ、小さな町はたちまち不安と恐怖に包まれる。正樹の同級生、春・晃・朔・直哉は、怪しい老人「おんさん」が犯人に違いないと家に押しかけ、1人がおんさんを殺してしまう。そして彼はおんさんの家に火を放ち、事件は幕を閉じた。時は過ぎ、晃は刑事になり、父の死をきっかけに町に帰ってきた。ほどなく、一人の少年が橋の下で正樹と全く同じように死体で見つかる。晃は少年の殺害事件の捜査で...
THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのボーカル、川村壱馬、RIKU、吉野北人の3人がトリプル主演を務める。心に傷やわだかまりを抱えながらも、夜の世界に生きる男たちを演じた。監督・脚本を務めたのは「四月の永い夢」(2017年)でモスクワ国際映画祭、国際映画批評家連盟賞・ロシア映画批評家連盟特別表彰を受賞した中川龍太郎。夜の横浜を舞台に、3 組の男女の物語を描いた。 夫の浮気を知り、満たされない心を埋めようとする主婦。余命わずかな母親に婚約者を紹介したい高校教師。映える写真を撮り続けるフォロワー7 万人のインスタグラマー。それぞれに悩みや思いを抱え、“救い”を求めている ...
作家・井上荒野が、父である井上光晴と母、若き日の瀬戸内寂聴との関係を描いた同名小説を広木隆一監督が映画化。 1966年、小説家の長内みはる(寺島しのぶ)と白木篤郎(豊川悦司)は、パートナーや妻子がありながら男女の仲になる。篤郎は家庭では妻の笙子(広末涼子)の料理を褒め、幼い娘たちを可愛がる夫であり、父だった。 ©2022「あちらにいる鬼」製作委員会
深町秋生の小説『ヘルドッグス 地獄の犬たち』を基にしたクライムエンタテインメントを、 名優・岡田准一×名匠・原田眞人監督による3度目のタッグで描く。 兼高昭吾 (岡田准一) は警察官時代に、愛する人が殺されてしまう事件を止めることができず 復讐に生きていた。彼はその獰猛さゆえ警察に目をつけられ、関東最大のヤクザ組織へ潜入させられることに。任務は、組織の若きトップ・十朱(MIYAVI)が持つ“秘密ファイル”の奪取。バディとなる 死刑囚の息子・ 室岡(坂口健太郎)とともに、組織を上り詰めていくその先には、誰も予想できない結末が待っていた。
県民の4人に1人、約20万人が犠牲となった「沖縄戦」。「命(ぬち)どぅ宝、生きぬけ!」と叫んだ 2人の官僚と、「沖縄戦」に翻弄される沖縄県民。それぞれの苦悩と生きることへの奮闘を描き、沖縄本土復帰50周年の節目に「命の尊さ」を次世代に継承する映画が誕生しました。
寝たきりの母親と2人暮らしの水道局員ヨシダヨシオは、筋金入りのM男。SMクラブに通い詰め、ミホ女王様にいたぶられる毎日だが、プレーにもう一つ身が入らない。自分を調教したユキ子女王様が姿を消してしまったのだ。ミホとは恋人のような友人のような関係を築くものの、ユキ子の責め苦が忘れられない。やがてユキ子女王様が帰郷したとのウワサが流れ、ある日選挙カーから懐かしい声が聞こえてきた……。 原作:「夕方のおともだち」(山本直樹著/イースト・プレス刊) 脚本:黒沢久子 配給:彩プロ 映倫R-18 2022年2月4日から、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、大阪ステーションシティシネマほか全国順次ロードショー