阪本順治の監督30作目となる本作は、初めてのオリジナル脚本による時代劇。社会の底辺でたくましく、したたかに生き抜く3人の若者たちの恋と青春を描いた。主人公のおきくは、「小さいおうち」(2014年)でベルリン映画祭銀熊賞(女優賞)を受賞し、「小さいおうち」、「母と暮らせば」(2015年)、「浅田家!」(2020年)で日本アカデミー賞助演女優賞に三度輝いた黒木華。厠のひさしの下で雨宿りをしていたおきくと偶然に出会う紙屑拾いの中次は、「菊とギロチン」(2018年)でのデビューした寛一郎。下肥買いの矢亮を「宮本から君へ」(2019年)、「ちょっと思い出しただけ」(2022年)などの主演作で存在感を放ってきた池松壮亮が演じる。
寺子屋で子供たちに読み書きを教えているおきく(黒木華)は、突然の雨を避けて雨宿りをした寺の厠のひさしの下で、紙屑買いの中次(寛一郎)と下肥買いの矢亮(池松壮亮)と出会う。中次と矢亮は下肥買いの相方となり、社会の最下層の仕事に就く彼らだが明るさを忘れない。一方のおきくも貧しいが人情味あふれる長屋に暮らしている。ある日、中次はおきくの父、源兵衛(佐藤浩市)と厠で鉢合わせになり、「なあ、〝せかい〟って言葉、知ってるか」と声をかけられる。「俺は〝せかい〟でいちばんお前が好きだって。これ以上の言い回しはねえんだよ」。そう言い残した源兵衛は侍たちと立ち去るが、その後を追ったおきくは、侍に斬りつけられ、父と自分の声を失ってしまう。
©2023 FANTASIA
公開日: 2023年04月27日
せかいのおきく
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2023年 /日本 /89分 /G
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公式サイト: http://sekainookiku.jp/
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